厳しい環境下でも巨額調達に成功する「大型上場予備軍」。ベンチャーとしての成熟期に向け、成長シナリオをどう描くのか。その戦略に迫る。
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スタートアップの資金調達環境の悪化が顕著になっている(詳細は9月11日配信記事:「スタートアップ」は熱狂と暗影混在の新時代に)。とりわけ目立つのが、すでに一定規模まで事業が成長し、上場前夜と目される「レイターステージ」の各社の苦境だ。
そんな成熟期のスタートアップの中にも、外部環境をものともせず、直近で数十億から100億円規模の資金調達に成功している「大型上場予備軍」は確実に存在する。
彼らは核融合やAIなど独自の技術やマイクロファイナンスといった特徴的なビジネスモデルを武器に事業を拡大する。ベンチャーとしての成熟期に向け成長シナリオをどう描くのか。その戦略に迫る。
ブロックチェーンから撤退、仕切り直し
法人向けの支出管理サービス「バクラク」やデジタル証券などに取り組むのがLayerX(レイヤーエックス)だ。グノシー創業者の福島良典氏が18年に創業し、CEOを務める。
23年2月に三井物産などから約55億円、6月にJICベンチャー・グロース・インベストメンツなどから26.8億円と巨額の資金調達を行った。ビジネス立ち上げ段階のシリーズAにもかかわらず累計調達額は約82億円にも及ぶ。
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