東大教授「眠気の正体はカルシウム」衝撃の真相 マウスの呼吸パターンから分析を進めた結果…

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今考えられているのは、このアミロイドβが蓄積し、その状態が長時間続くと何かしらのストレスがかかりタウがたまる。それが最終的に神経細胞死を引き起こすということです。

脳に光を照射しゴミを分解

アルツハイマー病に対する根本的治療法は、まだ確立されていません。神経細胞は死んでしまうとほとんど復活できないというのが脳の病気の難しいところ。近年では発症前の治療法として、脳内に蓄積したタンパク質を除去するための研究が、さまざまな研究機関や製薬企業で行われています。

『素朴な疑問VS東大 「なぜ?」から始まる学術入門』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

最近、アミロイドβに対する抗体医薬が承認され、期待されています。私の研究室が金井求教授の研究室と共同で取り組んでいるのが、光認知症療法です。光を当てると活性化してアミロイドβが分解されやすくなる薬(光酸素化触媒)を投与しておき、脳に光を照射するという方法です。

薬剤の問題の1つに副作用がありますが、この治療では光を当てたところだけ活性化するため、薬が全身に巡っても悪さをしません。

今後数年以内に治験を開始できればと思っています。

認知機能低下のリスクを下げるために日常生活でできることは、頭を使いながらの運動と健康的な食生活です。ありきたりですが、確実に一定のリスクを下げることがわかっています。最近では睡眠との関係も注目されていて、マウスの実験では、睡眠中に脳からゴミが除去されていることがわかってきました。

(出所:『素朴な疑問VS東大 「なぜ?」から始まる学術入門』)

いま私が注目しているのは、アミロイドβが蓄積するとなぜタウがたまるのかということです。アミロイドβ蓄積➡タウ蓄積➡神経細胞死というプロセスは全部で10年から20年ほどかかりますが、それぞれの間で何が起こっているのかはまだわかっていません。また、アミロイドβやタウが脳内に蓄積していても、神経細胞が死んでいない人もいます。そこをきちんと解明したい。そのときの脳の変化や体の変化を調べることができれば、アルツハイマー病の診断にも治療にもつながると思っています。

東京大学広報室 広報室

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とうきょうだいがく こうほうしつ / University of Tokyo public-relations

東京大学広報室は、広報誌『淡青』『学内広報』やウェブサイト・SNSによる発信を通じ、研究・教育などの大学の活動を多くの皆様に知っていただく活動を進めています。

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