東大教授「眠気の正体はカルシウム」衝撃の真相 マウスの呼吸パターンから分析を進めた結果…
日本人の睡眠の質の低さがよく取り沙汰されます。そこが可視化されると、睡眠は基本的人権の1つだという認識が強まり、その質の確保が国や雇用主の責務となるでしょう。
最近の研究により、睡眠は単なる休養ではないとわかってきました。睡眠をとることで記憶を担う神経細胞同士のつながりが強くなるようです。睡眠は人を人たらしめる脳の活動を支える重要なプロセスです。睡眠検診の重要さは増していくと思います。
どうして歳を取るとボケるの?
―回答者(富田泰輔/東京大学大学院薬学系研究科教授)
認知症で一番問題なのは、記憶したり、考えたり、判断したりといった認知機能が低下することです。脳では神経細胞同士がコミュニケーションを取ることによって、記憶ができたり、感情が生まれたりしていますが、認知症の過半数を占めるアルツハイマー病の患者さんの脳を見ると、多くの神経細胞が死んでしまっています。
そのメカニズムを理解するための研究が、100年以上前から行われてきました。
タンパク質の分析技術や遺伝子の解析の進歩などによりわかってきたのは、老人斑と神経原線維変化と呼ばれる「ゴミ」が脳内にたまり、それが神経細胞死を引き起こしているということです。老人斑はアミロイドβ、神経原線維変化はタウというタンパク質からできています。実は両方のタンパク質は、脳ができたときから脳内にあります。すべてのタンパク質は、作られては壊されるというプロセスをつねに繰り返していますが、とくにアミロイドβについては、歳を取ると代謝が下がり、脳内に蓄積しやすくなります。
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