AI画像認識の中国「センスタイム」が人員カット 屋台骨の「スマートシティ事業」の売上高が半減

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センスタイム、雲従科技集団(クラウドウォーク)、曠視科技(メグビー)、依図網絡科技(イートゥ)の4社は、中国のハイテク業界で「AI四小龍」と呼ばれ、AI技術の発展と中国社会への実装をリードしてきた。センスタイムは四小龍のなかで最も早くIPO(新規株式公開)に成功し、売り上げ規模も最も大きい。

センスタイムは中国のAI技術の発展をリードしてきたが、業績は創業から赤字が続く。写真は同社の上海オフィス(センスタイムのウェブサイトより)

だが、同社の経営は2014年の創業以来ずっと赤字が続いており、黒字化のメドは立っていない。2022年の決算報告書によれば、同年の売上高は38億900万元(約785億円)と前年比19%減少。純損益は60億9300万元(約1231億円)の赤字だった。

地方政府など顧客の予算執行に遅れ

見逃せないのは、同社の2022年の売り上げ構成に大きな変化が生じたことだ。同社の屋台骨であるスマートシティ・スマートビジネス事業の売り上げが急減し、経営に深刻な打撃をもたらした。

決算報告書によれば、2022年のスマートシティ事業の売上高は10億9600万元(約221億円)と前年比半減。スマートビジネス事業の売上高は14億6400万元(約296億円)と同25%も減少した。

本記事は「財新」の提供記事です

背景には、同年に中国国内で新型コロナウイルスが大流行し、ロックダウン(都市封鎖)などの厳しい防疫措置が長期間続いた影響がある。そのため(各地の地方政府など)主要顧客のAI関連予算の執行やプロジェクトの進捗が遅れ、センスタイムの業績を直撃した格好だ。

(財新記者:謝韞力、杜知航)
※原文の配信は8月28日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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