日本株は大幅下落する可能性が残っている 震源地はやっぱり「買われすぎている」あの国

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もし米国株が下落したとき、日経平均株価が、米株価と同率下げなければならない義理も人情もない。

1万7000円割れはなくても1万7000円台否定できず

ただ、ざっくりと5月15日(金)の終値である1万9732円から16%下落するとすれば、1万6575円となる。

これはあくまでも目安に過ぎず、1万7000円割れの可能性が高いとまでは考えていない。だが、1万8000円を割れて1万7000円台のどこかまで株価が下押しすることは、否定できないと考えている。

ただし、今週からいきなりそうした下落相場に突入はしないだろう。今週は極めて手掛かり材料が少ない週だ。国内企業の決算発表は一巡し、日銀の金融政策決定会合(5月21日(木)~22(金))は無風だろう。海外発の材料も見当たりにくい。

したがって、中期的には海外の相場調整に日本株が巻き込まれると懸念しているものの、その中で今週は膠着状態となり、日経平均は1万9500~1万9950円での推移となろう。

これまで筆者が執筆した当コラムでは、4月19日付「日本株の崩落が、いよいよ始まった?」5月4日付「連休明けの『マーケットの波乱』に注意せよ」と一貫して、海外発の市場波乱が拡大し、それに日本株も巻き込まれて下落する可能性が高い、と述べ続けていた。

上記の2つのコラムからのアドバイス視点は、繰り返しになるが「2つ」である。

株価下落時の安値で株を買うことができるように、いったん株式を売却して現金を用意すべきである、ということが1つ。

あと1つは、世界市場の波乱があるとすれば、実体経済が深刻化するわけではなく、先述のような2つの背景要因によるものだ。

したがって、長期的に株価下落が続くとは予想しがたい。数年単位で株式投資を考えている投資家や、積立投資で株式投信などをじっくり買っていく投資家は、特に何もする必要はない。

特に気を付けてほしいのは、株価が大幅に下がった後から、今さらのように悲観論を唱える専門家に惑わされて、最安値で手持ち株を売却してしまうことだ。そうしたことだけはしないでほしい。

馬渕 治好 ブーケ・ド・フルーレット代表、米国CFA協会認定証券アナリスト

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まぶち はるよし / Haruyoshi Mabuchi

1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米国マサチューセッツ工科大学経営科学大学院(MIT Sloan School of Management)修士課程修了。(旧)日興証券グループで、主に調査部門を歴任。2004年8月~2008年12月は、日興コーディアル証券国際市場分析部長を務めた。2009年1月に独立、現在ブーケ・ド・フルーレット代表。内外諸国の経済・政治・投資家動向を踏まえ、株式、債券、為替、主要な商品市場の分析を行う。データや裏付け取材に基づく分析内容を、投資初心者にもわかりやすく解説することで定評がある。各地での講演や、マスコミ出演、新聞・雑誌等への寄稿も多い。著作に『投資の鉄人』(共著、日本経済新聞出版社)や『株への投資力を鍛える』(東洋経済新報社)『ゼロからわかる 時事問題とマーケットの深い関係』(金融財政事情研究会)、『勝率9割の投資セオリーは存在するか』(東洋経済新報社)などがある。有料メールマガジン 馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」なども刊行中。

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