新年度が始まった。アベノミクスもいよいよ3年目に入る。思えば黒田東彦日銀総裁が「異次元の金融緩和」に踏み切ったのは、2年前の4月4日だった。「白(川)から黒(田)」への大胆なレジームチェンジに、市場関係者は一様に衝撃を受けたものだ。とりかえずこの2年間の推移をまとめると、以下の3点に集約できるだろう。
いったい黒田日銀をどう評価すればいいのか?
1)とりあえず円安と株高と低金利を実現し、それらを持続させることに成功している。「日本国債暴落!」みたいなことにはなっていない。少なくとも今のところは。
2)実体経済の改善には時間がかかっている。ひとつは消費増税の影響が予想以上に大きかったからだが、それでもデフレ脱却には近づいてきた。
3)ただし石油価格の大幅下落のために、物価安定目標に掲げた「2年で2%」は無理っぽくなっている。どこかで旗を降ろさなければならないが、そのタイミングが難しい。
黒田日銀をどう評価するかは、論者によって意見が分かれている。当欄のお仲間で言うと、やまげん(山崎元)さんは「もっと徹底すればいい」という立場で、「日銀はこの際、財政ファイナンスだと認めちゃえば」(3月20日のコラム「日銀『財政ファイナンス宣言』のススメ)と言っている。ぐっちーさんは否定的で、円安誘導じゃ日本経済は良くならない(3月6日のコラム「安倍首相の政策では、日本は復活しない」)と主張している。
不肖かんべえとしては、異次元緩和は今までのところ首尾は上々だったが、そろそろ気を付けなければいけないのかなと思っている。3年目の今年はおそらく難所となるだろう。さて、どこに注意すべきなのか。
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