なぜ日本株は「まだ割安」といえるのか 大手投信フィデリティ運用責任者に聞く

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堅調な値動きが続く日本株。今後も上昇するのか(撮影:尾形文繁)

日本株が堅調に推移している。では、日本株はすでに割高になってしまったのだろうか?このほど来日した、世界最大級の投信会社であるフィデリティ・ワールドワイド・インベストメントのポートフォリオマネジャー、デイル・ニコルス氏に、中国経済の現状と見通しや、今後の日本株などについて聞いた。

中国は内需主導で成長、大きく崩れず

日本経済を取り巻く外部環境を俯瞰すると、まず米国景気は底堅い状態が続く。次に欧州経済だが、しばらく不確定要素があることに加え、デフレ懸念も高まっている。欧州経済に関しては厳しいと見て良いだろう。

「日本株は割安で投資のチャンス」と語る、フィデリティ・ワールドワイド・インベストメント ポートフォリオマネジャー デイル・ニコルス氏

一方、米国と並んで、世界経済のけん引役とされている中国経済は、現在、これまでの輸出と投資主導の経済から、内需主導経済への転換を図っている最中だ。

経済成長率は7%前半まで減速しているが、構造的に国内消費が盛り上がっていく可能性が高いため、大きく崩れることはないと見ている。確かに、不動産バブルや金融危機のリスクは喧伝されているが、現状、これらは高いリスク要因とは考えていない。

そもそも中国の銀行の最大株主が政府である以上、リーマンショックのような流動性危機は起こりにくいし、不動産に関しても、地価の上昇率と同じペースで賃金が上昇しており、アフォーダビリティの観点からは特に問題は見られない。これまで、中国に関しては金融危機と不動産バブル崩壊に対する懸念から株が売られていたが、その2点に大きな問題がないと考えられるので、中国株への投資比率はむしろ引き上げている。

昨年4月、消費税率が5%から8%に引き上げられた後、日本の景気指標は弱含みで推移してきた。株価も同じくボックス圏で推移してきたが、昨年10月末、日銀は改めてデフレ脱却の姿勢を鮮明にするため、質的・量的金融緩和の第2弾を実施。それによって株価は再び上昇し、日経平均株価も堅調に推移している。さらに円安も進み、輸出業者にとって追い風が吹いている。

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