巨大ワニの水槽に潜入、スリル満点「死の檻」体験 ダーウィンのワニ・爬虫類動物園はすごかった

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共食いするほどどう猛なイリエワニ。その水槽に筆者らが乗った「死の檻」は徐々に沈んでいく。足首、膝、腰が水に浸かる。そして止まる。

「フィーデングタ~イム!」

来場者の1人がそんな陽気な冗談を飛ばすのが聞こえた。「エサの時間だよ~」くらいの意味である。いい加減にしてほしい。

ワニがその言葉を理解するわけなどないし、私たちが本当にエサになることはない。だが、厚さわずか数センチのアクリル板を隔てて見るワニは大迫力だ。しかも、じっとはしていない。さすがにアクリル板を突き破る勢いで突進してくることはないものの、本当に獲物を狙うかのように私たちのまわりをゆっくりと回る。

そんな緊張感も2~3分もすれば落ち着いてきて、至近距離で泳ぐワニを観察する余裕が生まれてくる。

ワニの皮膚は美しいが目は怖い

ワニの皮膚は傷一つ見当たらず、本当に美しい。ベルトやバッグなどに重宝される理由がわかる。一方で目は本当に不気味だ。そして歯。今までカカドゥ国立公園などでワニの顔のアップ写真も何度も撮っているが、改めて間近で見ると、多数生えている歯の大きさがバラバラなことに気づいた。

水中メガネを借りられるので、こんなアングルからワニを見ることも可能(写真:Michaela 撮影)

10分ほど経つと、いよいよ「フィーディングタイム」だ。檻に入ったままワニがエサに食らいつく様子を観察する。

飼育係が棒の先に牛の内臓の生肉をつけた長いロープを延ばし、ワニの顔の真ん中あたりでゆらゆらと動かし始めた。においを嗅がせるのだとしたら、なぜ鼻先でしないのだろうと一瞬訝しんだが、そういえばワニの鼻は口の先端ではなく、目のあたりにある。

飼育係は30秒ほどにおいを嗅がせたが、ワニは反応しない。空腹ではないのか、はたまた食指を動かされているのはアクリルの檻の中にいるもっと大きな獲物なのか。ところが、急に水面から飛び上がるようにしてロープの先端に噛みついた。

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