こちらも名前からして「海水のある入り江」にのみ生息していそうだが、汽水域はおろか淡水にもいる。性格はどう猛で、動物性の生物ならほぼ何でも食べる。鳥やトカゲ、ヘビ、魚、カメ、そしてサメ。さらには、氾濫原(雨季になると毎年必ず氾濫して現れる湖や湿原)やその周辺で飼われる家畜(水牛や牛)も狙われる。
日本の「ヒグマ」のような存在
そんな凶暴で健啖家なイリエワニたちは、日本でいえばヒグマのような存在。だから、彼らの生息域であるノーザンテリトリーやクイーンズランド州の北部の海や川は、遊泳禁止だ。さらには雨季で水かさが増した際に入ってきたイリエワニが残っていることもあるので、池や滝つぼなどでも遊泳が禁止されているところもある。
危険なイリエワニたちとは関わらないほうがいい。そんなことはわかっているのに「怖いもの見たさ」でつい近づいてみたくなる。
ユネスコ世界複合遺産に登録されているカカドゥ国立公園などでは、イリエワニや野鳥などを間近に観察できるクルーズ船が、たくさんの観光客を乗せて行き来する。
カカドゥ国立公園には色とりどりのハスの花が咲き誇り、美しい野鳥たちが飛び交う。まさに「地上の楽園」だ。
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