観光資源の「過保護ライオン」が生んだ悲しい現実 日本人サファリガイドが南アフリカで直面したこと
まるで特大サイズの飼い猫のライオン
一番好きな動物は? よく聞かれる質問です。私は大抵「ライオン」と答えます。あまりにも王道ですが、やはり百獣の王と呼ばれるライオンの魅力は見る人を虜にしてしまいます。
7年前、生まれて初めて野生のライオンに出会った瞬間を今でもはっきりと覚えています。サファリガイドの訓練生として初めてサファリカーを運転した日、3頭のメスライオンが突如目の前に現れたのです。
操作がやや複雑なマニュアル車の運転もまだぎこちない私でしたが、その迫力と緊張感に圧倒されながら、メスたちが進む後ろを慎重についていきました。ライオンたちはついてくるサファリカーを気にすることなく歩き続けたかと思うと、いったん休憩! とでもいうように地面に横たわり毛づくろいを始めました。
その姿はまるで特大サイズの飼い猫! 先ほどまでの迫力ある姿とは打って変わって、今度は猫のようにじゃれ合う可愛い姿に魅了されました。その後は、みんなで重なり合うように寝てしまいました。一見とても怖そうで迫力あるライオンが野生の世界で見せるこうしたギャップにも、心つかまれてしまうのです。
私の家はサバンナの中にあるのですが、夜中にライオンの遠吠えが聞こえてきて、思わずサファリカーに飛び乗り、外に探しに出ていったこともあります。
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