でも、そういうことに気がつくのに、ずいぶん時間がかかりました。
当時は「自分はものすごい才能のある、選ばれた人間」だと思いたかったからです。
「俺には、神様から与えられた才能があるはず」「曲は降ってくる。整った環境の中で曲をつくっていたら、神様がチャンスを与えてくれる」などと、ふざけたことを考えていました。
これが、自分に対して「期待過剰」だった、売れない時代の「凡人」の僕の話です。
「夢を見る」のと「自分が天才だと思い込む」のは別
ほとんどが「凡人」なのですが、多くの凡人の中にも、プロアマ問わず「才能がある人」はたくさんいます。
「1回聴いたらメロディを覚えてしまう人」「頭にある記憶だけで複雑な絵を描ける人」「お店で食べた料理を自分で再現してサッとつくれてしまう人」など。このような人たちはみな、「特殊な才能」がある人たちです。
こういう人たちが少し努力したら、ただの凡人は敵いません。いわゆる 「秀才」 と言われるような人でしょうか。音楽業界にもゴロゴロいて、そういう才能に遭遇するたびに、僕はいつも悔しい気持ちになります。
ただ、才能のある彼らも、「天才」とは違います。あくまでも「凡人の中の優れた人たち」 なのです。
「凡人」の私たちが夢を見るのも、大きな目標をもつのも素晴らしいことです。その夢を誰かに笑われてもいいんです。
でも、「夢を見ること」と「自分が天才だと思い込むこと」とは、まったく違うと思うのです。
僕がお伝えしたいことは、「自分は天才でも何でもなく、平均的な能力しかないんだということを、まず知る(認める) こと。そして、それをわかったうえで、自分の能力を高めていくことが大事」 ということです。
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