「自分は凡人!」と思える人こそ"天才に勝てる"訳 つんく♂「僕も凡人。だからこそ大逆転できる」

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まず、多くの人は自分に対して「期待過剰」 なんだと思います。

悲しいかな、僕を含め多くの人たちは、「天才」ではありません。天才は「ひと握り」しかいないからです。

しかし、「自分ならもっとやれるのに」「自分にはもっと才能があるのに」などと考えがちです。

僕もそうだったから、すごくよくわかるのです。

僕も「自分の能力を過信」していた

僕が調子に乗って「自分の能力を過信していたころ」のことを紹介します。

大阪でバンドを始めたアマチュア時代。学業にアルバイトにライブにライブの稽古と、忙しさにかまけて、思えば年間3~4曲しかつくっていませんでした。

そのくせ、雑誌に出ている新人バンドやテレビで見かける新人アイドルの曲を聴いては、「俺もこれくらいの曲、真剣にやったら、いつでも書けるわ!」と愚痴ってみたり、世間を批判したりしていました。

大阪で人気バンドになり、なんとかプロデビューできましたが、売れない時期が続きました。

アマチュア時代と違い、自分の時間を100%使って「売れる曲をつくればいい」という恵まれた状況にもかかわらず、ボツを含めて、たかだか年間20~30曲。採用されるのは4~5曲程度だったように思います。

ディレクターやプロデューサーに「これじゃあ、シングルにできないね」「やっぱり才能ないんじゃないか」なんて言われて、「あの程度のスタッフに俺の才能をあやつる能力はないね」 などと愚痴ったり、塞ぎ込んだりするだけ

そして「楽器や機材が揃わない~」「ちゃんとしたスタジオで曲つくらせてくれ~」「宣伝が下手だから売れない!」などと、人や環境のせいにしていました

思えば、アマチュア時代の年間作曲数3~4曲とか、デビュー後の売れない時代の年間作曲数20~30曲なんて、単純に甘かった! 頑張っているうちに入りません。

「他人や環境のせいにするのは、できない人の言い訳だった」と、いまだからわかります。

次ページ「才能がある人」も、実は「凡人」だった!?
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