リアリティー番組は、先がまったく読めないことが醍醐味です。今回、終盤に入ってそれが顕著に表れました。平凡なバチェラーの旅だと、高をくくりがちでしたから、不意をつかれた分、勢いづけたと思います。巻き返すことができた3つ目の理由はこれです。
(以下、ネタバレを含みますので、まだご覧になっていない方はご注意ください)
焦点が当てられた女性は2人。「オトコマエな女友達は卒業します」をキャッチフレーズに持ち、大分県出身、元建設会社広報で26歳に見えないぐらいに落ち着いた西山真央さんと、「魔性のまじめ」をうたい、三重県出身、飲食店経営者として成功している28歳の大内悠里さんです。
「ガチさを厭わない参加者」が評価のカギ
当初からローズを受け取り、バチェラー長谷川さんとお似合いそうに見える西山さんに対して、大内さんは元キャバ嬢であることを明かしたり、感情をつねに素直に表現したりとタイプはまったく違います。どちらを長谷川さんが選ぶのか、最後の最後まで悩んでいるのかどうかさえ、わかりそうでわかりにくく、人生最大のモテ期が来たようなバチェラー長谷川さんの高みの見物ができます。
最終的には恋愛モードのアクセルを上げた相手を選んだ長谷川さん。あまりの勢いから最終回は祝福ムードいっぱいで着地します。「私は大丈夫です」と選ばれなかったほうの凜とした強さまで加わって、後味までよく、全体を通した満足度が跳ね上がっていったように思います。
マイナーチェンジしたバチェラーとよくできた女たちの構図、そして終盤の勢いのすべてに共通するワードは人選です。バチェラーシリーズを手掛ける吉本興業のチーフプロデューサー村本陽介氏が以前、アジア最大級の香港フィルマート(2023年3月13日から16日)に登壇したときに「本当に真剣に参加してくれる方を選ばせてもらっている」と、リアリティー番組の成功の秘訣を語るなかで話していた言葉が印象的でした。ガチさを厭わない参加者が評価のカギを握っているように思います。
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