巻き返すことができた理由の2つ目は、平凡そうに見えるバチェラー長谷川さんに対して、よくできた女たちという構図がうまいこと作られていたことにあります。
今回、約1700名の応募者の中から、厳正なる審査を経て16名が選ばれています。約100倍の競争倍率で勝ち抜いた女性たちはメイク講師に、社長秘書、現代美術家、飲食店経営者、ヨガインストラクター、舞台俳優、モデルなど。職業上の多彩な顔触れに限らず、よくできた女たちという印象が強かったのは、トラブルメーカーがいなかったからです。
場合によっては、あざとさやライバル心むき出しの女性がいたほうが盛り上がるものの、今回は頼りなさまで露わにしたバチェラー長谷川さんだけで十分です。癖の強い女性たちのバトルよりも、メキシコを舞台に共同生活で絆を深めた女性たちの友情劇が見どころになっています。
MCが「続きを見たくなるような小休止」として機能
刺激が足りない部分は、レギュラースタジオMCの今田耕司、藤森慎吾(オリエンタルラジオ)、指原莉乃らのトークが補っていたように感じます。最近のリアリティー番組は共感力を意識しすぎた無難なスタジオトークが多く、炎上防止策としては異論ありませんが、傷つけない程度の気楽なコメントがあってもよさそうです。
配信直前に行われた7月25日の番組イベントで今田が自身について「ぺらぺらな考察をしている」と話していましたが、たまに欲しいのはまさにそれ。一度振り返り、また続きを見たくなるための戦略的な小休止として機能しています。
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