都会の子は花火をどこでやる?禁止の公園増加 「大人がルール守って」場所探しアプリも登場
花火製造・卸の若松屋(愛知県西尾市)は、花火ができる公園を探すことができるアプリ「Hanabi-Navi」を2021年7月に開発。現在は東京23区、大阪、愛知など9都府県の約2500の公園の情報を掲載している。これまでに約12万ダウンロードされた。
アプリを作ったきっかけは、2019年から同社が始めた花火に関する体験型講座だ。参加者は当然、花火に興味があるからやってきたのだが、なぜか「最近は花火をやらなくなった」と話す人が多かった。その事情を聞くと、大半が「できる場所がないじゃないですか」と嘆いたという。
同社の竹内直紀・営業部長は、
「われわれは都会などでも花火ができる公園が実はあることを把握していましたが、一般にはあまり知られていないことに気づいてアプリ開発を思い立ちました。とはいえ、どれほどのニーズがあるのか半信半疑でもありました。まずはお試しに、地元である愛知県の名古屋市の情報を集めてアプリをリリースしたのですが、たいした宣伝もしていないのに予想外に大きな反響があり驚かされました。花火ができる場所を探したい人が、こんなにいるのかと」
と振り返る。
同社では、「花火を全面禁止している自治体があるということは、それだけ迷惑行為への苦情が多かったはず」と判断。花火ができる全ての公園ではなく、公園や周辺の環境を実際に確認し、花火がしやすく周辺に影響しづらい公園を主に選んで掲載している。今後も、情報を増やしていく方針だ。
テンションが上がるのはわかる
竹内さんは、
「花火は楽しいからテンションがあがって、騒ぎたくなる気持ちはよくわかります。声を出すなと言うのは難しいでしょう」
と話しつつ、こんな前向きな楽しみ方を提案する。
「興奮するとなかなか気づきにくいのですが、一本の花火が燃える様子をじっくり見ていると、色や燃え方などの様々な変化や、おっと思う現象があったりして、違う楽しみ方ができるんです。そうすると自然に声のトーンも下がって、静かに花火を楽しむことができるのではないかと思います。ぜひ、試してみてください」
花火を当たり前に楽しむことができる環境を作っていくのか。はしゃぎ過ぎた結果、失っていくのか。夏の風物詩と、夢中になる子どもたちを守るのは、われわれ大人の心持ち次第なのだ。
(AERA dot.編集部・國府田英之)
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