都会の子は花火をどこでやる?禁止の公園増加 「大人がルール守って」場所探しアプリも登場

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花火をしたいけど、できる場所は限られています(写真:y-c/PIXTA)

夏の風物詩である花火だが、公園や児童遊園など「おもちゃ花火」が許可されていた場所が、大騒ぎやルール違反への苦情が続いたため、禁止となるケースが相次いでいる。「やりたいのに、できる場所がない」と、花火の製造業者にはそんな切実な声も届くそう。大人がはしゃぎ過ぎた結果、大人だけではなく子どもたちまでもが花火をする場所を失い、どんどんつまらない社会ができあがる。これでいいのか。

子どものころは道路や公園などさまざまな場所で、手持ちやロケット、噴出型などの「おもちゃ花火」を楽しんだ記憶がある。花火を手にはしゃぐ親子の姿は、夏休みに当たり前にみられる光景だった。

だが時代は変わり、特に都会では花火ができる場所は限られるようになったうえに、苦情が寄せられて続々と禁止の措置が取られている。

苦情相次ぎ禁止の流れに

東京都江戸川区は、区立公園での花火について、手持ち花火に限って原則許可してきた。だが近年、ルール違反となるロケット花火や大騒ぎへの苦情が続き、約500カ所ある公園のうち、1割程度で花火を禁止にしたという。

当記事は、AERA dot.の提供記事です

区の担当者は「我々だって禁止にしたくはありません。ルールやマナーを守って楽しんでいただけたら何も問題はないのですが、大人なのに配慮してくれない方がいて、そうせざるを得なかったのです」と複雑な思いを口にする。

隣接する葛飾区も、一部を除いた区立公園で手持ち花火を許可しており、花火ができる場所を探す区外の人からの問い合わせも多い。だが、こちらもルール違反やマナーの問題が発生し、ここ数年で300ある公園のうち約15か所について、花火禁止とした。

「大騒ぎや音の出る花火への苦情は少なくなった印象ですが、花火の燃えカスやゴミをそのままにして帰ってしまう人がまだ目立ちます」(区の担当者)

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