カナダ山火事、現地在住ライターが見た一部始終 現場は自宅の10キロ先、街は一面、煙で真っ白に

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それまで対岸の火事だとばかり考えていたが、湖を挟んだこちら側が燃えているという状況に、一瞬頭が真っ白になった。筆者(と日本人の夫)は車を持っておらず、2人とも英語が堪能とは言えない。万が一の際はいったいどうすればいいのか、という不安が襲い眠れない夜を過ごした。

インターネットで情報を追っていると、まさに火の海となったウエストケロウナの状況が目に飛び込んで来る。ウエストケロウナの人口は約3万5000人。日本人の知人も何人か住んでおり、先日ビーチパーティーで集まったばかりだった。彼らは無事なのか? 心配で頭がいっぱいになる。

8月18日には、ウエストケロウナの大部分とケロウナの北部、計1万5000世帯に避難命令が下る。幸い、筆者の住むエリアは避難を免れた。このときイービー州首相は、「州史上最悪の山火事シーズンに直面している」とコメント、緊迫した状況であることを説明した。

食料や飲料水を求めて住民が殺到

この日、筆者は朝から仕事(スーパーのベーカリー)だったが、午後には多くの人が食料品や飲料水を求めて殺到しており、非日常感が漂っていた。

筆者が勤務しているスーパー。商品の買い占めを懸念した人々がレジに押し寄せている(写真:筆者撮影)
翌朝5時に出勤すると、棚の商品はほぼ無くなっていた。この状況は、新型コロナで緊急事態宣言が出たときに近い(写真:筆者撮影)

8月19日、避難命令は3万世帯に拡大し、このほかに3万6000世帯に避難勧告が出され、対象者は各エリアに設けられた避難センターや、避難を免れた知人宅に避難した。

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