常見:話を戻すと、独創性を重要視する、他の会社には出せない商品を開発する湖池屋だからこその、“行き過ぎた商品”もあるのでは?
五月女:商品化されたもので失敗はありませんが、商品開発の段階でやりすぎてしまったと反省した企画はありましたね。昨年に新CMの発表会を開催したのですが、そこではメディア向けに「カラムーチョパウダー」というお土産を作りました。
発表会では、ロールケーキにそのパウダーをかけたものを芦田愛菜ちゃんに食べていただきました。さすがに合わないだろうと思いましたが、まさかの美味しいと評価。それを踏まえて、カラムーチョの「ロールケーキ味」を社内の会議で提案したんです。
常見:えっ。その時の反響はどうでしたか?
五月女:「イケる!」と正直思っていました。ただ経営層レベルの会議で、商品名を言った途端に「えっ…」というような顔をされたので、すぐ撤回しました。
常見:どんな味なのか気になりますね。
小幡:今後「カラムーチョパウダー」の商品化の可能性もありますので、実現した際はぜひロールケーキにかけてみてください。
常見:やってみます(笑)。
小幡:湖池屋のこだわりとして、ユニークなだけでなく「美味しい」ことにこだわっています。変わったスナックも美味しいと認められないものは発売しません。カラムーチョも辛くて美味しいから長年愛されているのだと思うです。
常見:ちなみに五月女さんは、どのくらいの頻度でカラムーチョを食べているんでしょう?
小幡:今では毎日食べていると思いますが、担当になった当時は辛いものも苦手だったそうです。でも、そんな彼の視点があったからこそカラムーチョももっと幅広い層に愛されるよう進化できたんだと思いますよ。
常見:それはすごい。プロの心意気感じますね。
五月女:カラムーチョに限らず、商品研究のために日々色々なお菓子や料理は食べるようにはしています。
カラムーチョの進化は止まらない
常見:少子高齢化やヘルシー志向によって、湖池屋のお菓子やカラムーチョも変化が求められると思います。今後はどんな展望がありますか?
五月女:ロングセラーブランドの課題ではあると思いますが、これからの40年、50年、100年先のことを見据えると、新しいファンの獲得が重要です。新商品の開発だけじゃなく、時代に沿ったプロモーションや愛される仕組みを実行してかなければいけません。昨年からは「日本全国カラムーチョ化計画」と銘打ったキャンペーンを展開しています。
常見:新規開拓を続けなければ、古いブランドとして朽ちる可能性もありますもんね。キャンペーンで芦田愛菜ちゃんをCMに起用したのもの絶妙ですし、広い世代へアピールしたいという思いを感じました。
小幡:昨年はカラムーチョ、すっぱムーチョに続く第三のムーチョ「あまムーチョ」を発売しました。30年経っても、まだまだ進化できると私たちは信じています。
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