「会社員なら当然のスキル」実は"宝の山"だらけだ 知らないのはあなただけ?「どれが使える」の?

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一方、大企業には、法務・総務部門がありますし、社員も仕事を進める中で、自然とコンプライアンスを遵守したオペレーションを身につけている方が多いものです。

こうした、大企業出身者のコンプライアンスの知識・意識は「貴重なスキル」といえます。

「道なき道」を登りながらスキルアップする

ほかにも、大企業で「事業のHOW」を解決してきた経験は、上場前後の、規模が大きくなってきたスタートアップで特に求められるスキルとして挙げられます。

とはいえ、大企業とスタートアップでは、仕事の進め方が大きく違うため、転職前にそのことをしっかりと理解しておく必要があります。

登山にたとえて説明すると、大企業の場合は、「すでに誰かが登頂したことがあり、誰でも登れるように舗装された山道が準備されている」状態です。

一方のスタートアップは、「目指す登頂は決まっているものの、誰も登ったことがなく登り方がわからない」状態だと言えます。

スタートアップで求められているのは、「登頂にコミットし、登り方を自ら考え、自ら問題解決する人材」なのです。

大企業とスタートアップの仕事の進め方はまったく違う。大企業には「舗装された道」が準備されているが、スタートアップでは誰も登ったことがない「道なき道」を歩まなければならない(図『スタートアップ「転職×副業」術』より)

スタートアップの世界では、既存の常識や組織にしがみつくのではなく、新しい常識や組織を自らが創出して、自分の能力、腕で生きていくことが求められます

「能力」と「やる気」があるのに、大企業や組織内でくすぶっている人が、スタートアップでポテンシャルを発揮することは、おおいに可能です。

スタートアップに入って幹部になり、大活躍をして、社会をよりよく変えていく。その人自身も仕事にやりがいを感じ、自己実現できて、金銭的にも潤って幸せになっていってくれる。

これは何より、日本社会にとってもプラスの変化だと思うのです。

これから「スタートアップに身を投じてみたい」と思う人が、ひとりでも多く生まれてくれればと願っています。

藤岡 清高 「スタートアップ転職・副業のプロ」アマテラス代表取締役CEO

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ふじおか きよたか / Kiyotaka Fujioka

「日本からGoogle・Facebookを100社創業する」をミッションに掲げるアマテラス代表取締役CEO。1974年生まれ。「スタートアップ転職・副業のプロ」として、これまでに2000人以上からスタートアップ転職や副業の相談を受ける。2011年に創業したアマテラスを通じて、毎年200人以上がスタートアップ企業のコアメンバーやCxO候補として参画。アマテラスとの契約後に上場をしたスタートアップ企業は140社以上、M&AなどでEXITした企業は50社以上にのぼる。著書に、スタートアップで「働きたい人」「副業してみたい人」の入門書『「一度きりの人生、今の会社で一生働いて終わるのかな?」と迷う人のスタートアップ「転職×副業」術』がある。

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