「売れた商品ランキング」2023年上半期・中部版 インバウンド需要の弱さが浮かび上がる結果に

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中部で他の地域よりも上位に入ったのが、9位の防水・撥水剤。雨水をはじき、衣類・靴・カサを保護するためのスプレーで、コロナ禍の外出自粛により需要が落ち込んでいた。アフターコロナの外出増により需要の回復が見られたが、平年より降水量の多かった中部で販売がとりわけ大きく伸長したようだ。

一方、18位の鼻炎治療薬は前年比117.3%(全国差-7.2ポイント)と伸びが小さい。降水量の増加により花粉の飛散量が減った結果、需要が伸び悩んだものと考えられる。

中部で「売り上げが落ちた」商品の顔ぶれ

続いて、販売金額が落ちたもののランキングを確認したい。前年比で全国よりも落ち込みが大きかったのが、15位の滋養強壮剤。アミノ酸・生薬などを主成分とするビタミン含有の医薬品(ただし、1本飲みきりタイプの液剤を除く)で、訪日観光客に人気となっている錠剤タイプの商品があることから、インバウンド需要の弱さが苦戦の要因と言えるだろう。

2位の殺菌消毒剤についても、感染予防のための手指消毒用のものでは全国との差がほとんど見られなかったが、インバウンド需要の苦戦からか、傷薬タイプは全国よりも伸び悩んだ。

2019年比で全国よりも伸びが目立ったのが、3位のオートミール1,157.9%(全国差+15.4ポイント)と4位の玩具メーカー菓子192.3%(全国差+14.1ポイント)だ。

関東版のランキングで紹介した通り、急成長前のオートミールの市場は関東が中心だった。東海でも急成長前から一定の規模の市場があったものの、北信越で市場が急増したため、中部では全国を上回る成長が見られたようだ。

玩具メーカー菓子では、2019年比が全国を上回ったのに対し、前年比は全国を下回った。玩具メーカー菓子の2019年比を牽引したのは東海。2022年に他の地域よりも大きく伸長したため、2023年に反動で減少したと見られる。

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