2023年上半期「売れた商品ランキング」九州版 インバウンド需要関連の商品が上位に並ぶ

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(写真: 撮るねっと /PIXTA)

2023年上半期「売れた商品ランキング」全国版関東版近畿版中部版北海道・東北版に続いて、今回は九州のランキングを紹介する。全国のスーパー、コンビニ、ドラッグストアなど、約6000店舗の販売動向を追っている「インテージSRI+」のデータを基に作成した。

ここでは、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島に沖縄を加えた8県を「九州」とした。全国との違いを確認するため、「全国差」として九州版の値から全国版の値を差し引いた値も出している。

九州で「売り上げが伸びた」商品の顔ぶれ

売り上げが伸びた商品ランキング1位の強心剤は、前年比212.3%(全国差+36.2ポイント)、3位のビタミンB1剤は前年比170.5%(全国差+18.6ポイント)となっている。インバウンド需要関連の商品が上位に入ったようだ。地域別では近畿のランキングに次ぐ前年比の伸びが見られており、地理的な近さや充実した交通網からアジア圏を中心とする訪日観光客に人気のためだろう。

2位の検査薬は、前年比172.9%(全国差-65.5ポイント)、2019年比202.8%(全国差-186.3ポイント)と全国よりも小さな伸びとなった。九州の一部の地域では感染拡大が深刻に見られていたが、九州全体では感染が落ち着いていたのだろうか。また、国から承認された医療用・一般用の抗原検査キットを取り扱う店舗の割合が他地域より少なかったことも、販売が伸び悩んだ要因と推察される。

9位の鼻炎治療薬は、前年比141.3%(全国差+16.8ポイント)、2019年比125.0%(全国差+8.9ポイント)と全国よりも大きな伸びが見られた。九州では花粉の飛散量が全国にも増して平年より多く、需要が伸長したようだ。27位のティッシュペーパーも春花粉の飛散時期に販売を大きく伸ばしており、花粉症対策需要の力強さがうかがえた。

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