2023年上半期「売れた商品ランキング」近畿版 顕著にあらわれたインバウンド需要の影響

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(写真:Hiroshi-N/PIXTA)

2023年上半期「売れた商品ランキング」全国版関東版に続き、今回は近畿版のランキングを紹介する。全国のスーパー、コンビニ、ドラッグストアなど、約6000店舗の販売動向を追っている「インテージSRI+」のデータを基に作成した。

ここでは、滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山の6府県を「近畿」とした。顕著に現れたのは、今年に入ってから活況となっているインバウンド需要の影響だ。全国との違いを確認するため、「全国差」として近畿版の値から全国版の値を差し引いた値も出している。

「売り上げが伸びた」商品トップ30の顔ぶれ

売り上げが伸びた商品ランキングでは、全国版で2位だった強心剤が1位に躍り出て、前年比356.5%と全国よりも180.4ポイントも大きい。3位のビタミンB1剤で前年比235.3%(全国差+83.5ポイント)、6位の外用鎮痛・消炎剤で前年比173.1%(全国差+52.0ポイント)と、インバウンド需要でよく買われる医薬品が全国よりも著しく伸長しているのが見て取れる。インバウンド需要がとりわけ活況なのは、訪日観光客に人気の大阪や京都だ。

インバウンド需要の影響は医薬品にとどまらない。10位のリップクリーム、15位のパック、27位のウイスキーなどでも前年比の伸びが全国よりも大きく、インバウンド需要がさまざまな商品の売れ行きに影響していることがうかがえる。

ただし、これらのインバウンド需要関連の商品では、前年比の伸びが全国よりも大きいものの、2019年比の傾向に全国とそれほど大きな違いはない。中には、2019年比が100を下回っているものも散見される。1位の強心剤の2019年比は89.6%となっており、15位のパックの2019年比は55.1%と2019年の半分ほどの水準だ。

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