休職中の彼女が"ハラミちゃん"になったキセキ 初めてのライブ配信はお客さんが来なかった

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活動開始から3カ月後、幕張メッセで開かれる「17LIVE」のイベントで、ライブパフォーマンスをできることになった。ファンを前にステージで演奏するのは初めて。会場には20人ほどが来てくれて、演奏後には話ができる機会もあった。

「私を大切に想ってくれている、という気持ちが心から伝わってきて、そっか、この方たち一人一人を笑顔にさせていけばいいんだ、って実感できました」

“お米さん”と二人三脚で

いつのころからか、応援してくれるファンの方を“お米さん”と呼ぶようになった。お肉のハラミちゃんにとって、ベストパートナーである白ごはんのイメージだ。

今でも思う。もしあのとき、ネガティブな言葉をかけられていたら、この道に進むことはやめていた。あのとき、温かい言葉をかけてくれた“お米さん”がいたからこそ、ハラミちゃんとしてピアノを弾き続けられた。

「昔は、ファンはアーティストに熱狂し、追いかける存在だと思っていました。でも、自分がいざアーティストの側になってみたら、ファンの方はぴったり横にいて、二人三脚で一歩一歩進んでいる存在だという感覚が芽生えたんです」

2019年6月に始めた動画投稿からわずか半年後。初めて開いた有料ワンマンライブは、150席が販売開始30秒でチケットが完売した。翌2020年7月にはアルバム『ハラミ定食』でCDデビューも果たし、週間アルバムセールスチャート「Billboard Japan Top Albums Sales」で首位を獲得するなど好評を得た。

人生にそんな展開が待っているなんて、誰が想像できただろう。

確かなのは、“お米さん”たちの存在があってこそのハラミちゃんだということ。「本当に大切な存在だから、数え切れないほどたくさん、“お米さん”の顔や名前が思い浮かぶんです。私をピアニストにしてくれた恩人だから、一生かけて恩を返していきたい」。

そんな出会いと、つながりは、ハラミちゃんの活動をしていなければ、得られないものだった。

忘れられないエピソードがある。コロナ禍の続く2020年11月、感染対策に気を配りながら、久しぶりに岐阜県でストリートピアノを演奏することになった。

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