元商社マンが「ゲストハウス開業」で見つけた天職 理不尽に苦しんだ会社員から一転「掴んだ幸せ」

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
脱サラ後、1年半の準備期間を経てシロノシタゲストハウスをオープンした城下智久さんに開業までの道のりについて聞きました。手にしているのはプロデュースした「御宿印帳」(写真:城下智久さん提供)
この記事の画像を見る(8枚)
会社員を辞め、新しい人生を踏み出した人たちから話を聞いている本連載。今回は20年半の会社員生活の後、ゲストハウス経営に転身した兵庫県姫路市の城下(しろした)智久さん(52)に、これまでの歩みや思いを話してもらった。

会社退職し、ゲストハウスをオープン

2017年6月。会社を退職後、およそ1年半の準備期間を経て、城下さんが経営する「シロノシタゲストハウス 姫路のお宿」はオープンした。その名前は、姫路城の城下に、「城下(しろした)」という姓を持つオーナーが作ったゲストハウス、という偶然を表している。

飲食業や小売業と違い、オープンしたからと言ってフラッとお客さんが立ち寄る業態ではない。「シロノシタゲストハウス」も初日のお客さんはゼロで、3日目から予約が入っている状態だった。

だが2日目の夕方、チャイムが鳴ったのでモニターを見ると、外国人男性が2人立っている。彼らは1時間前に予約サイトで空きを見て予約したというが、城下さんは気づいていなかった。

オープン2日目に来てくれた初めてのお客さんは2人のフランス人だった(写真:城下智久さん提供)

心の準備もないまま、招き入れた初めてのお客さん。彼らはフランス人で日本を旅していて、翌日は竹田城へ行くという。夜11時ごろまで一緒に話をし、翌朝は妻が用意した朝食を完食してくれた。久しぶりの英会話だったが、なんとかコミュニケーションが取れて、とても楽しかった。何より別れ際、「ゲストハウス経営がんばってね」と言ってくれたのが忘れられない。

この初めてのお客さんが運をもたらしたのか、以来、お客さんには恵まれてきた。途中、コロナ禍で苦境に立たされたが、間もなくオープンして7年目の夏が来る。

次ページゲストハウス開業の夢を得て
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事