会社退職し、ゲストハウスをオープン
2017年6月。会社を退職後、およそ1年半の準備期間を経て、城下さんが経営する「シロノシタゲストハウス 姫路のお宿」はオープンした。その名前は、姫路城の城下に、「城下(しろした)」という姓を持つオーナーが作ったゲストハウス、という偶然を表している。
飲食業や小売業と違い、オープンしたからと言ってフラッとお客さんが立ち寄る業態ではない。「シロノシタゲストハウス」も初日のお客さんはゼロで、3日目から予約が入っている状態だった。
だが2日目の夕方、チャイムが鳴ったのでモニターを見ると、外国人男性が2人立っている。彼らは1時間前に予約サイトで空きを見て予約したというが、城下さんは気づいていなかった。
心の準備もないまま、招き入れた初めてのお客さん。彼らはフランス人で日本を旅していて、翌日は竹田城へ行くという。夜11時ごろまで一緒に話をし、翌朝は妻が用意した朝食を完食してくれた。久しぶりの英会話だったが、なんとかコミュニケーションが取れて、とても楽しかった。何より別れ際、「ゲストハウス経営がんばってね」と言ってくれたのが忘れられない。
この初めてのお客さんが運をもたらしたのか、以来、お客さんには恵まれてきた。途中、コロナ禍で苦境に立たされたが、間もなくオープンして7年目の夏が来る。
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