歯学博士が警告「すべての老いは口から始まる」 70代よりも食べ物を「噛み切れていない」若年層

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加えて、「食事で噛んでいるとあごが疲れることがある」と答えた10代は48.3%で、70代のなんと2.7倍にも上り、さらにいえば、70代が各年代で最も数値が少ないという事実から鑑みると、若年層から中年層の口腔機能の発達が不十分な疑いを表す結果になっているのです。

口が老化することで何が起こる?

では、具体的に口の老化によって何が起こるのでしょうか。

口の老化といわれると、 歯の本数や「噛む力」だけを気にする 人がいますが、 口の老化は、それだけではありません。なぜなら、「自分の口で食べる」ためには、歯だけではなく、口全体の機能が大切になるからです。

口のなかの機能は互いに関連しているため、1つひとつの機能としてではなく、口全体として考える必要があるわけです。

まず、食べることは、おおまかに次の「4つの口の力」で成り立っています。

これら4つの力のうち、1つでも弱まると、さまざまなことに支障が出てしまいます。

【4つの口の力】
❶噛む力
❷舌の力
❸唾液量
❹飲み込む力

口の力の衰えは、すべての年齢層で見られ、体全体の不調につながる「オーラルフレイル」の予備軍として、いま問題になりつつあります。

オーラルフレイルとは、「口が老化」したいわゆる「老け口」の状態であり、「口の機能が弱っている状態」を指す言葉です。

口が老化していくことで、かたいものが噛み切りづらくなったり、大きめのものや粘り気のあるものを飲み込みづらくなったり、ムセやすくなったりするなどの症状が表れるようになります。

すると、弾力のある肉類や、繊維質の根菜類や葉物類の野菜などが食べづらくなって避けるようになり、たんぱく質やビタミン類といった栄養素をうまく摂ることができず、栄養バランスが崩れます。

こうした衰えが、口から体全体へとつながっていき、全身の機能が弱っていく「フレイル」にいたる恐れがあります。

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