氷だらけチューハイ提供はなぜ問題にならない? 表示義務ないことにあぐらかく飲食店の大問題

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東京都内の北海道産の食品等を扱う店舗ではソフトクリームが人気商品だ。バニラ、夕張メロンソフト、あるいはそのミックスが選べるが、牛乳もメロンも北海道を代表する食材であり、連日売り場でも行列が見られる。

夕張メロンの含有量についてはどこにも表示がない。そこで尋ねてみたがわからないという。メーカーに問い合わせてみるということで数日を要し、果汁の含有量は、0.8567%ということだった。

埼玉県内のファストフード店で「アップルマンゴーソフト」が大きなイメージ写真を掲載して販売されていた。マンゴ果汁の含有量を店員に聞いたがわからないという。店の奥に入って材料の包装物などを確認しているようで、答えは「たぶん果汁は入っていない」だった。

なぜ飲食店には食品の表示義務はないのか

食品表示法は食品の表示を義務づけている法律で、食品衛生法、JAS法、健康増進法の食品の表示に関する規定を統合して食品の表示に関する包括的な法律となった。しかし、同法で表示が義務づけられるか否かは商品の販売形態によって異なり、わかりにくい。

以下は一般消費者向けの加工食品の販売形態ごとの適用範囲をまとめたものだ。対象外の販売形態も多いことがわかる。

・製造場所以外で販売(容器包装あり)→適用対象
製造場所以外で販売(容器包装なし)→対象外
・製造場所で対面販売(容器包装あり)→適用対象(安全関連事項のみ義務)
製造場所で対面販売(容器包装なし)→対象外
外食等その場で飲食→対象外

ではなぜすべての販売形態で食品表示を義務づけないのであろうか。食品表示の適用範囲について2011年12月に消費者庁食品表示課が「食品表示の適用範囲について」という資料を公表している。

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