「せめて国公立、もしくは日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)以上の大学に行きたいと思っていたので4浪(4浪目の年齢での受験)を決意しました」と言う彼は、ついに理数系科目を諦めて文系科目だけで受験できる私立文系大学に絞ります。
4浪に突入した彼は、1日平均6時間の勉強を続ける生活を送ります。7月には英検を利用できる入試のために、英検2級を取得しました。着々と難関大学に行く土台を固めていたものの、ここで安心してしまった彼は燃え尽きてしまい、勉強時間が半分以下になったそうです。
結果、この年は法政大学社会学部の過去問の英語で6割を取れるようになったものの、ほかの科目が間に合わず、出願した法政大学と國學院大學に落ちてしまいました。
「塾や参考書のお金を払うためにバイトを1つ増やしたことで、週24時間労働するようになってしまったんです。学力もたいしたことないのに慢心してしまったんです」
交通事故で人生観が変わる
彼は今、当時落ちた理由を「受験戦略を失敗した」と振り返ります。
「バイトに時間を取られていたため政治経済の勉強を1月にようやくスタートしたのですが、試験本番までに間に合わずに4割しか取れませんでした。欲張ってMARCHを受けましたが、志望校を下げていれば、どこかには受かっていたと思います。落ちて当然だなと思いました」
こうして敦司さんは5浪目に突入します。しかし、この年はコロナが流行しだした年で、彼の受験戦略にも影響を与えます。
「受験費用がなかったので、春夏でがっつり働いて、秋冬で受験勉強に集中しようと思っていました。でも、コロナが流行して春夏でしっかり稼げる仕事が見つからなかったのです。だから、後半もがっつり働いて、次の年以降に本気を出そうと考え方をシフトしました。7浪目くらいまでには受かればいいかなと思っていました」
この年は諦めて、6浪目以降にかける……。そう思っていた彼に、意識の変化が訪れます。それは、1月に交通事故に遭ったことがきっかけでした。
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