泣いている子に説教しても無駄である科学的根拠 子どもが感情をコントロールできるようになる近道
子どもの感情が昂っているとき、まずは「コネクト」、つまり子どもの心とつながることから始めます。
小さい子どもならば、抱っこしてあやしてあげたり、背中をなでてあげたりして、気持ちを落ち着かせましょう。ある程度言葉が通じる子どもならば、「そうか、そうか、嫌なんだね」「怒ったんだねぇ」などと、子どもの気持ちを言葉に出してあげましょう。
まずは気持ちを理解したということ、それを行動や言葉で伝えてあげることで、子どもの気持ちをリラックスさせることが第1ステップです。
子どもが気持ちを落ち着かせるトレーニングにもなる
そうして子どもが落ち着いてきたら、「リダイレクト」と呼ばれる次のステップに移ります。子どもの気持ちを「向き直す」という意味です。
感情が昂っていたときのことを思い出させながら、さっきやるべきだったこと、やってはいけなかったことなどを説明しましょう。
オーバーヒートしていた右脳が落ち着き、未発達の左脳でもものごとを理解する準備ができた状態で、丁寧にやるべきことや、やってはいけないことを説明します。これが脳科学的に理にかなった声かけの方法です。
また、子どもが怒ったり、泣いたりしたときに、優しく落ち着けるようサポートすることは、子どもを甘やかしていることになりません。それどころか、子どもが自分の気持ちを落ち着かせるスキルを身につけるためのトレーニングにもなっていることを押さえておきましょう。
感情が昂ったとき、子どもは自分で収拾がつけられない感情のうねりを収めるのにサポートが必要で、大人がそのサポートをすることによって、感情を抑えることのトレーニングができます。
ちょうど、鉛筆が持てない子どもに対して、まず一緒に鉛筆を持って書かせてあげる様子をイメージしてみてください。どんな子どもも、最初はそうしたサポートが必要で、そうして何度も鉛筆を使っていくうちに、自分1人でも書けるようになります。
同様に、感情が昂ってしまったとき、子どもはどうすれば心を落ち着けることができるのかがわかりません。そこで、親が背中をなでたり、声をかけたりして、心を落ち着かせてあげます。子どもは、そうした体験を繰り返すことで、昂った感情を自分自身で落ち着かせるスキルを少しずつ身につけることができるのです。また、そうしたサポートなしには感情を落ち着かせるスキルを身につけるのが遅くなってしまいかねません。
つまり、子どもがカッとなったときに、すぐにしつけようとするよりも、「コネクト&リダイレクト」をするほうが、圧倒的に子どもが自分の感情をコントロールできるようになる近道なのです。
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