発電システムは、屋久島特有の花崗岩を掘削して作った空間に設置されている。発電機は2つあり、水路からきた水でフランシス水車を1分間に900回転させ、それぞれが1万6000kWの出力を得る。3つ目の発電機の準備も行われていたが、現時点で導入時期は公表されていない。
屋久島電工の施設を見学した翌日、屋久島町役場でアウディジャパン主催の「未来共創ミーティング」に参加した。
これは、「アウディ・サステイナブル・フューチャー・ツアー」の一環で、2022年にバイオマス発電に注力する岡山県真庭市と、日本を代表する地熱発電の地である岩手県八幡平市でも実施された。このうち、八幡平市の事例については現地取材のもようを本連載で取り上げている。
今回は、地元で唯一の高校である、鹿児島県立屋久島高等学校の生徒や屋久島電工の関係者らも参加して行われた。
その中で、屋久島町とアウディジャパンは「持続可能な未来をつくるための連携協定」の詳細を発表。大きく3つの実施要件を掲げる。
(3)島民に「未来を考える学習機会の提供」を行う。今回は、屋久島高校の生徒約200名にアウディジャパンが出張授業を実施。2024年3月までにフォルクスワーゲン グループ ジャパンの施設などで課外学習を行う。
それぞれの立場で「屋久島のBEV化」をどう捉えるか?
では、屋久島で暮らす人々、屋久島町や屋久島電工、そしてアウディなど自動車メーカーや自動車販売会社は、「屋久島のBEV化」をどう捉えているのか。それぞれの立場から、見ておきたい。
まずは、島民の視点だ。屋久島町民がBEVを購入する際、国の補助金(55万円)のほか、鹿児島県による「離島における電気自動車補助金」(20万円)と屋久島町による電気自動車等導入促進事業補助金(55万円)があり、購入費用のうち合計130万円もの補助が受けられる。
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