セレナ e-POWERに「技術の日産」は宿っているか ハイウェイスターV/LUXION、試乗で得た感触

✎ 1〜 ✎ 55 ✎ 56 ✎ 57 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ガソリンに遅れること約4カ月。ようやくe-POWERモデルが発売となった(写真:日産自動車)

2023年4月に発売された日産「セレナ」のe-POWERモデルに試乗した。

このクルマの特徴は、新開発の1.4リッターエンジンを使ったe-POWERシステムだけでなく、先代e-POWERになかった8人乗り仕様の設定、ハンズオフ走行の「プロパイロット2.0」採用と多岐にわたる。

今の世の中、売れ線といえば軽自動車とSUV、そしてミニバンだ。高速道路のサービスエリアに行くと、ミニバンの多いこと多いこと。当然、メーカーとしては力が入る。

「技術の日産」というキャッチコピーを覚えている人も、多いと思う。今でもセレナを特徴づけているのは、シリーズハイブリッド技術をはじめ、数々の技術(デジタルが多くなったが)なのだ。

ひと目で「デジタルが多い」インテリア。ティッシュも収まるドアポケットなど使い勝手も考えられている(写真:日産自動車)

シャシーは、2005年発売の3代目セレナから連綿と使われているものとはいえ(やや驚き)、ボディの剛性アップをはじめ、サスペンションやステアリングのアップデートが奏功していて、古さは感じない。

端的に言うと6代目になった今回のセレナ、走りが気持ちよい。特に最も売れ線というハイウェイスターVは、「ドライバーも楽しめるように」という開発担当者の言葉を裏付ける性能ぶりだ。

今回、乗ったのは「e-POWERハイウェイスターV」と「同LUXION(ルキシオン)」。ともに、はっきりいって期待以上だった。

排気量アップ(1.2→1.4)と出力向上の恩恵 

モーターのみで走行するe-POWERやプロパイロット2.0に象徴される運転支援システムなど、セレナのデジタライゼーションは、トヨタ「ノア」「ヴォクシー」、ホンダ「ステップワゴン」など競合に対して、このクルマを特徴づけている。

エンジンを駆動用バッテリーへの充電のためだけに使うシリーズハイブリッドのe-POWERは、エンジンの排気量を従来の1.2リッターから1.4リッターへと拡大して出力を向上。各部品の設計を見直して静粛性も向上させたというモーターを組み合わせる。

先代はノート e-POWERのシステムを流用したが、今回はセレナ向けのパワフルなシステムを搭載(写真:日産自動車)

シリーズハイブリッドでは、比較的高速で巡航が続くとバッテリー容量が低下してエンジンが回ることになるから、従来の1.2リッターはけっこう存在感を主張したし、そのわりにパワー感がもう少しほしかった。それに対して、今回のエンジンはいい。パワフルになるとともに、静粛性が上がった。

同時に「先読み充放電制御」なるカーナビゲーションと、バッテリーの充放電の協調制御がおみごとだ。どういうことかというと、ナチュラルなドライブ感覚を第1に考えてくれるから。

次ページ「期待以上」の乗り味のワケ
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事