「ハイエース」を自家用車として購入する人々 商用バンの王様はどんな人に買われているのか

拡大
縮小
現行ハイエースは2004年に登場したロングセラー(写真:トヨタ自動車)

人気テレビ番組でも特集が組まれるほど、知名度の高いトヨタ「ハイエース」。1967年の発売以来、55年以上もの歴史を持ち、配送業をはじめとする貨物車としてはもちろんのこと、いわゆる“職人さん”が資材を積むためのクルマとしても広く用いられている。さらに多人数乗車のワゴン仕様は、旅館などの送迎車やロケバスとしても活躍している。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

競合として日産「キャラバン」があるが、人気はハイエースのほうが断然上。積載性をはじめとした実用性の高さに加え、高い耐久性や堅牢性、そしてメンテナンス性から多くの国で愛されている。

このように、ハイエースはビジネスシーンで活躍するクルマであるが、近年では自家用車として選ぶ人も増えている。ミニバンやSUVが数多くある中で、ハイエースを自家用車に選ぶ人たちは、一体どんな層なのだろうか。今回は、ハイエースを“普段の暮らしで利用する人々”について見ていきたい。

標準ボディのほか、ワイドボディ/ロングボディもあり豊富なバリエーションを誇る(写真:トヨタ自動車)

使用するデータは、市場調査会社のインテージが毎月約70万人から回答を集める、自動車に関する調査「Car-kit®」。今回は自家用車としてのハイエースに着目するため、分析対象は自家用ボックスタイプの王道である売れ筋のM~Lサイズのミニバンを取り上げる。加えてハイエースと商用利用シーンで競合する日産「キャラバン」も一部取り上げることとした。

<分析対象数>
■トヨタ ハイエース 新車購入者:471名
■トヨタ ハイエース 中古購入者:239名
■M/Lサイズミニバン7車種(※1) 新車購入者:16,405名
■M/Lサイズミニバン7車種(※1) 中古購入者:7,786名
■日産 キャラバン 新車購入者:58名
■日産 キャラバン 中古購入者:38名
※1:トヨタ「アルファード」「ヴェルファイア」「ノア」「ヴォクシー」、日産「セレナ」、ホンダ「ステップワゴン」、三菱「デリカD:5」の7車種
※2:対象は2018年1月以降購入者 かつ “自家用車(乗用)としてのみ利用”する人々
※3:「ハイエース」はワゴンとバンの合算。終売となった「レジアスエース」を含む

こだわりを持って選ばれるクルマ

以前、取り上げたプリウスと同様、ハイエースも比較車を選び出すのが難しいクルマだ。もちろん商用車として見れば、キャラバンがガチンコで比較されるわけだが、自家用車として購入している人々は様子が違う。

実際、「比較した車種がある」と答えた人の割合は少なく、ハイエース(新車)では27%、ハイエース(中古車)においても31%しかいない。そういうわけで、比較している人は多くはないものの最後まで悩み比較したクルマ、「最終比較検討車」の結果を見てみよう。

ハイエース(新車)を見てみると、最も比較されているキャラバンでも2割弱しかおらず、比較されている対象が広く分散している。やはり自家用車として購入している人からすると、明確な比較対象はないのだ。

次ページ70%のユーザーが「指名買い」
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT