ジープのコンセプト7台が「遊び心」でしかない訳 V8からピュアEVまで“ジープのお祭り"で披露

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今回、披露されたコンセプトモデルの1台「1978ジープ・チェロキー4×eコンセプト」(写真:Stellantisジャパン)

2023年4月1日から9日にかけて、アメリカで「イースター・ジープ・サファリ」がスタートした。今回で第57回を数える、ジープ乗りによる毎年恒例の“お祭り”だ。

舞台は、ユタ州モアブのキャニオンランズ国立公園。ここはレッドロックなる赤茶けた岩でできた土地で知られ、そこに集まったジープ乗りが岩場を走り回るのだ。初めて訪れてその様子を見ると、「よくぞこんな岩の上を……」と感心、というか呆れてしまうほど無謀に思える。

同時に、ジープ本社のほうは、このファンイベントに合わせて、ニューモデルやコンセプトモデルを一般にお披露目するのが恒例となっている。今年は、7台のコンセプトモデルが用意されていた。

レッドロックを背景にコンセプトモデルが並ぶ様はまるで映画のよう(写真:Stellantisジャパン)

手がけたのは、ヘッド・オブ・デザインを務めるマーク・アレン氏率いるジープのデザイン部門。映画『マッドマックス』に出てきそうなイカツイ外観のモデルもあれば、オモチャ箱が似合いそうなモデルもある。ドライブトレインも、大排気量のV8からピュアEVにいたるまで、多様で楽しい。

1970年代のチェロキーを“今風”に

まずは、「1978ジープ・チェロキー4×eコンセプト」を紹介しよう。

アメリカ独特のクルマ文化に“レストモッド”なるものがある。昔のモデルをレストアしたうえでモディファイ(改造)して乗る楽しみ方だ。このコンセプトモデルは、それを意識している。

スタイリングは1970年代のチェロキーそのもの(写真:Stellantisジャパン)

レストモッドは、ここ何年もイースター・ジープ・サファリで出展されるコンセプトモデルで見られるテーマだ。いつも魅力的な”昔風”モデルが登場してきた。今回も例外ではない。

ワゴニアの2ドアとして作られた1970年代の「チェロキーSJ」をイメージソースにしたボディを、最新の「ラングラー ルビコン4×e(フォーバイイー)」のシャシーに載せている。

インストルメントパネルなどから中身が最新のラングラーであることがわかる(写真:Stellantisジャパン)

「1970年代のチェロキーを今ふうに進化させた作品」とは、マーク・アレン氏の言葉。高さを切り詰めたチョップド・ルーフで、カッコいい。

ボディパネルにはあえてぶ厚い金属を使っていて、ドアを閉めるときの音はまさに当時を思い起こさせる。それを私が言うと、アレン氏はわが意を得たりとばかり「そうでしょう」と笑う。

なんと、今回はこのクルマで、キャニオンランズの岩場をがんがん走れた。

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