「ランクル300」は一体、誰が買っているのか? 新車購入者を分析して見えた真のオーナー像
トヨタ「ランドクルーザー」が手に入らない。2021年にフルモデルチェンジして登場した300系と呼ばれるモデルは、生産計画を大きく上回る注文が入っており、納車まで3~5年も待つとも言われている。
2023年1月中旬時点では、「生産能力を大幅に上回るご注文をいただいているため、現在ご注文を停止させていただいております」と、注文すらできない状況だ。手に入れるためには、“忍耐と覚悟”が求められるクルマになっているのである。
では、なぜそうなるのか。理由の1つは、中東を筆頭に世界中で爆発的な人気を誇ることにある。世界規模の受注残に対応するために、日本向けの割り当て台数が少ないという事情もあり、争奪戦が繰り広げられているのだ。
それは高騰する中古価格にも現れている。300系の新車価格は510万~800万円だが、1500万円以上で流通している個体もあるほど(2023年1月中旬時点)。過去には3000万円で販売されたこともあった。旧モデルとなる200系でも800万円以上のプレミア価格となっており、需要と供給のバランスが崩れていることがうかがえる。
ちなみに、世界的に人気のランドクルーザーは海外輸入を目的とした窃盗団による盗難も多く、被害台数は2021年:ワースト1位(331台)、2020年:ワースト2位(275台)、2019年:ワースト2位(426台)だ(日本損害保険協会『自動車盗難事故実態調査』)。防犯上のコストも高くつくモデルになってしまっている。
300系の平均購入額は832万円
前置きが長くなったが、さまざまな困難を乗り越えてランドクルーザーを所有している人は、どんな人なのだろうか。200系と300系、それにランドクルーザーファミリーの弟分「ランドクルーザープラド」も対象として、購入者分析を行った。
使用データは、市場調査会社のインテージが毎月約70万人から回答を集める、自動車に関する調査「Car-kit®」。
■ランドクルーザー300系:87名
■ランドクルーザー200系:143名
■ランドクルーザープラド:1134名
※いずれも新車購入者のみ
まずは、ランドクルーザーを新車で購入した人たちは、どれぐらいの出費をもって買っているのか。「値引き前車両本体+オプション価格」を見てみよう。
結果は、300系:832万円、200系:720万円、プラド:504万円となっていた。
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