「ランクル300」は一体、誰が買っているのか? 新車購入者を分析して見えた真のオーナー像

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200系と300系では112万円、約15%アップとなっているが、これはフルモデルチェンジにともなう価格上昇によるところが大きい。値引き額は300系、200系ともに30万円程度(購入価格の4%程度)と渋め。値引きをしなくても売れる人気モデルであることが、この点からも見えてくる。

先代200系は2007~2021年に販売された(写真:トヨタ自動車)

続いて、購入者の世帯年収データも確認してみよう。高額車両だけに、世帯年収1000万円以上の人が300系では、約64%にも達していた(200系は38%)。フルモデルチェンジで高級化路線をさらに強めた結果、それに応じる形でターゲットとなる顧客も変わってきていると言える。

実際、「高級車に乗っているという満足感」があると回答している人は、300系:44%、200系:35%、プラド25%と、300系は特に高い。ラグジュアリーさを増した300系の特徴がユーザーにも届いており、その点をポジティブにとらえている顧客が多いことがわかる。

アルファードからの乗り換えが圧倒的

ここから少し視点を変えて、購入前に乗っていたクルマ(前有車)について見てみよう。

300系オーナーの前有車のトップ3は、「アルファード」、プラド、200系の順となっており、ランドクルーザーおよびトヨタからの乗り換えが多い。200系は、さらに1つ前のモデルである100系、そしてプラド、アルファードと、こちらもランドクルーザーからの乗り換えの多さが目立つ。

購入時に想定した用途の結果も紹介しておこう。注目すべきは、300系の「レジャー・スポーツ」「キャンプ・アウトドア」「スキー・スノーボード」のスコアの“低さ”である。60/70/80系など、1980~1990年代のモデルとは異なり、アウトドア用途にはあまり使われていないのだ。

ちなみに、ランドクルーザーのほかにもクルマを所有している「複数台所有者」の割合は300系:70%、200系:60%、プラド:58%と、多くの人が2台以上のクルマを持っていることがわかった。大型のランドクルーザー1台だけでは、利用シーンが限定されてしまうのだろう。

では、高級化とともに利用シーンも変化しているランドクルーザーは、どんな理由から選ばれているのか。「購入時の前提条件」についても見てみよう。

ランドクルーザーは歴史のある車種であるため、「メーカー」「車名」のスコアの高さが目立つ。また「ボディサイズが大きい」ことを前提条件とし、「駐車場に入る大きさ」「道幅の関係」は、ほとんど重視されていないため、大きさに対しておおらかである。

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