ジープのトラック想定の4倍!売れないはずが… オフロードピックアップが持っていた潜在需要

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2021年11月に国内発売された「グラディエーター」(写真:Stellantisジャパン)

ジープの新型モデル「グラディエーター」(840万円)が、昨年11月の発売から半年ほどで400台以上も売れたという。これには驚いた。日本で売れないと思っていたからだ。実際に、日本のインポーターとなるステランティス・ジャパンも、最初のうちは日本導入を見送る予定だったという。

それもそうだろう。なぜならグラディエーターは、ジープのSUVである「ラングラー」をベースに車体後ろに荷室を追加した、ピックアップトラックなのだ。全長はなんと5.6mにもなる。

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日本の最大級のSUVであるトヨタ「ランドクルーザー」でも、その全長は5m弱。それよりも「グラディエーター」は遥かに長い。「センチュリー」や「マイバッハ」といったVIPサルーンすら超える長さなのだ。

しかも、日本にはピックアップトラックを乗用で使う文化がない。インポーターが売れないと判断するのも当然のことだ。

ところが、「グラディエーター」では、予想と異なる現象が起きた。2018年のロサンゼルスモーターショーでデビューした直後より、ユーザーや販売店から数多くの問い合わせが寄せられたという。そこでステランティス・ジャパンは、方針を一転して販売することにしたわけだ。

とはいえ、半信半疑だったのだろう。日本への導入予定台数は当初、わずか100台だったという。つまり、400台超という受注はインポーターの予想を4倍も超える数字だったのだ。

アメリカでは「使いやすいサイズ」で売れている

なぜ、そこまでグラディエーターが、人気を集めたのだうか。そこで、インポーターであるステランティス・ジャパンに話を聞いてみた。

まず驚かされたのは、グラディエーターが本国アメリカでもしっかりと売れているということだ。

筆者が2018年のロサンゼルスモーターショー取材時に見た「グラディエーター」(筆者撮影)

個人的に、グラディエーターは「SUVに無理やり荷室を追加した、話題集めのキワモノではないか」と疑っていた。ところが、本国アメリカでは「使いやすいサイズ」で、「優れたオフロード性能」を持つクルマとして、大いに評価されているというのだ。

日本で全長5mを超える乗用車は考えにくい。しかし、アメリカでは事情が違う。なんといっても、アメリカで過去40年にわたって毎年、“1番売れているクルマ”であり続けているのが、フォードの「Fシリーズ」というピックアップトラックなのだ。

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