「シエンタ/ノア/セレナ」日本人が箱車を好む訳 世界的なSUV人気の今、ミニバンが売れる
コロナ禍やウクライナ戦争などにより、半導体はもとより自動車部品の調達に支障をきたし、受注や納車に影響を受ける国内自動車販売市場。そうしたなか、直近の新車販売を見ると、「シエンタ」「ルーミー」「ヴォクシー」「ノア」「フリード」「アルファード」「ソリオ」「セレナ」「ステップワゴン」というように、上位20位内に9車種ものミニバンやハイトワゴンが名を連ねている。
軽自動車販売においても1位を堅持し続ける「N-BOX」を筆頭に、「タント」「ムーヴ」「スペーシア」「ルークス」「ワゴンR」というように、上位10位以内に6台のスーパーハイトワゴンやハイトワゴンが人気を集めている。
SUVではなく、変わらず堅調なミニバンの売れ行き
SUV(スポーツ多目的車)人気が日本を含め世界的に高まっていながら、同時に日本市場では、なぜ上記のような箱型の車種が好調な販売を堅持しているのか。答えは、比較的容易に見つけられそうだ。最大の理由は、後席のスライドドアにあるだろう。軽自動車のハイトワゴンのなかには、スライドドアではなくヒンジドアもあるが、より上位のスーパーハイトワゴンとなるとスライドドアになる。
日本は、1989年の自動車税改定まで、3ナンバー車は贅沢品とみなされ、5ナンバー車に比べ税額は倍以上だった。対策として、輸入車でも一部車種はドアハンドルやドアミラーを日本向けの特別仕様とし、車幅が1.7mを超えないようにしたこともあった。それが非関税障壁にあたるとして声が高まり、3ナンバー車の中でもエンジン排気量が3リッターを超えない車種の自動車税額が安く改定されたのだ。
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