日本人女性唯一の公認サファリガイド誕生の裏側 太田ゆかさん「生涯サバンナで働きたい」
無事にボランティア会社でガイドの仕事を始められることになったのですが、やはり最初は「日本人がなぜ南アフリカでガイドを」と周りの人に試されている気がして自信を持てませんでした。
ツアーには南アフリカの方も参加しますから、母国の自然を外国人である私に紹介されるパターンもあるわけです。
そんな中、わざわざ地面に生えている草をむしって「この草の名前は分かる?」と聞いてくるお客さまもいました。力量を試したかったのでしょうね。
そういうお客さまの心さえも動かせるようなツアーガイドをすることは、当時からずっと心掛けています。
動物を見つけて喜んでもらったり、一緒に自然に関する話をしたりすることを通して、「楽しかったね」だけでなく「もっと保護活動をしてみたい」というマインドを持ってもらえれば、動物や自然を守ることにもつながります。
このようなこだわりを持って仕事をする中で、自然と英語力も身に付いていき、仕事を始めて1年ほどたった頃には自信を持ってガイドできるようになっていました。
働き始めた2016年から3年間は、1人も日本人のお客さまが訪れることはなかったのですが、最近はコロナ禍が落ち着き、日本のテレビでも私の活動を取り上げていただいた効果もあって、日本人のお客さまも増えつつあります。
一筋縄では解決しない「生きるため」の課題
一方で、サバンナに向き合えば向き合うほど見えてくる課題もあります。動物たちの生息地の減少、そして分断です。
サバンナだったエリアがエメラルドやプラチナなどの鉱山工業地帯にされてしまったり、その労働者や物資を運ぶための道路が作られたりすることで、生物多様性が急速に失われています。
動物たちが生きるために街に出てしまった結果、交通事故や農作物の獣害も起きてしまっているのです。