トヨタ新型アル/ヴェル、先代モデルと徹底比較 より高級路線に進化した人気ミニバンの変化点
3列目シートは、新旧モデルともに5:5分割式を採用する。室内後部の荷室へ荷物を積載する際、3列目シートを左右に跳ね上げる方式も同様だ。ただし、新型では、シート跳ね上げ位置を2カ所にした「5:5分割2ポジションスペースアップシート」を採用。これは、最大荷室幅を確保できる従来の跳ね上げ位置に加え、リアモースト(最後方)位置への跳ね上げもできるようにしたものだ。これにより、2列目シートを一番後ろまで下げてリクライニングした状態でも、荷室スペースを拡大することを可能としている。
ほかにも、新型では、後席用ディスプレイに「14インチリアシートエンターテインメントシステム」を採用。13.3インチだった先代モデルのディスプレイを大型化し、より迫力ある映像などを楽しめるようになっている。また、操作方法には、音声認識機能も追加。電源がオフの状態でも、後席から「Hey、トヨタ、TVつけて」と発話するだけで、室内の天井に収納されているディスプレイがオープンし、TVの映像を映し出すまでを自動で行う機能も追加されている。
パワートレイン&燃費比較
走行性能や燃費に関しても、新旧モデルを比較してみよう。
まず、2.5Lハイブリッド車。先代のアルファードとヴェルファイアに搭載した2493cc・直列4気筒エンジンは、最高出力112kW(152PS)/5700rpm、最大トルク206Nm(21.0kgf-m)/4400~4800rpmを発揮。走行用モーターは、フロントモーターで最高出力105kW(143PS)、最大トルク270Nm(27.5kgf-m)。E-Four仕様に搭載するリアモーターで最高出力50kW(68PS)、最大トルク139Nm(14.2kgf-m)だ。
一方、新型の2.5Lハイブリッド車では、アルファードとヴェルファイアともに、直列4気筒エンジンの排気量を2487ccに変更。最高出力は140kW(190PS)/6000rpm、最大トルク236Nm(24.1kgf-m)/4300~4500rpmを発揮。走行用モーターはフロントモーターで最高出力134kW(182PS)、最大トルク270Nm(27.5kgf-m)。E-Four仕様に搭載するリアモーターで最高出力40kW(54PS)、最大トルク121Nm(12.3kgf-m)となっている。
こうして比べてみると、エンジンの排気量自体はやや小さくなったが、出力やトルクは若干ながら向上。走行用モーターも、リア用の出力は少し落ちたが、フロント用はよりパワーが増大している。なお、新型のハイブリッド車では、システム最高出力を184kW(250PS)とするとともに、従来型から燃費性能を向上したという。確かに、新型のWLTCモード値は16.5~17.7km/Lで、先代ハイブリッド車の14.8km/Lよりも数値的にもアップしていることがわかる。なお、ハイブリッドシステムは、新旧ともにシリーズ・パラレル方式のトヨタハイブリッドシステムを採用。おそらく、新型は、燃費効率などの面で、より進化していることが考えられる。
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