トヨタ新型アル/ヴェル、先代モデルと徹底比較 より高級路線に進化した人気ミニバンの変化点
また、新型ヴェルファイアの価格(税込)は、655万円~892万円。先代モデルの価格(税込)は430万6000円~515万4400円だったので、こちらも価格帯はアップ。とくにヴェルファイアでは、最上級グレードのExecutive Loungeが復活したこともあり、かなりの上昇率だ。しかも、ハイブリッドE-Four車のExecutive Loungeは、シリーズ中最高値となる892万円に設定されている。
従来、アルファードやヴェルファイアは、高級な内装などを持つ高価な仕様がある一方で、300万円台のグレードも設定されていた。比較的安い仕様もあることで、ファミリー層など幅広いユーザーに支持されてきたのだ。熾烈なミニバン市場、とくに大型タイプではライバルの日産「エルグランド」やホンダ「オデッセイ」などを退け、まさに1人勝ち状態を続けてきた要因のひとつが、幅広い価格帯とグレード展開だったのだ。
そう考えると、そうした安めのグレードをなくした新型は、顧客ターゲットをより富裕層へシフトした感もある。そうしたトヨタの戦略に対し、市場がどういった反応を示すのかが、今後気になるところだ。
新型アル/ヴェルは存在感を示せるのか?
ちなみに、自販連(日本自動車販売協会連合会)が発表した2022年度(2022年4月~2023年3月)の新車販売台数ランキングでは、アルファードが12位(5万9610台)で、ヴェルファイアはトップ50のランキング外となっている。一方、例えば、同じトヨタのミニバンで、2022年1月に発売された新型「ノア」や「ヴォクシー」では、同時期の新車販売台数で、ノアが8位(7万3134台)、ヴォクシーは9位(7万529台)。どちらもアルファードより1万台以上も売れている。
長年、ミニバン市場で大きな存在感を示してきたアルファードやヴェルファイア。新型は、価格帯などを考えると、今までのように多様なユーザー層からの支持を受けるというよりも、よりハイエンドな層に的を絞ることで、今まで以上に「高級車」としての路線を突き進んでいるような気がする。
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