原油価格が日銀の想定しているような1バレル当たり70ドルに速やかに戻ったとしたら、原油価格は年末近くには前年比でプラスに転じる。まだ10月の「展望レポート」の段階では、「ここから物価が上昇する」という見通しを示して、同レポートの中間評価を行う2016年1月まで引っ張るのではないか。さらに2016年4月の「展望レポート」まで何もしない可能性もある。
そこまでいっても、7月には参議院選挙があるので、それとの絡みで政治的な判断とならざるを得ない。さらに円安を加速するからダメ、ということになるかもしれないし、あるいは株価が下がっていれば株価を持ち上げるために政治的圧力が強まる結果、やるかもしれない。
2%との乖離は少なくともまだ1~2年では埋まらない。しかし、年間80兆円の国債の買い上げはオペレーション上も行き詰まってくる。もはや2%はシンボリックなものでしかなく、デフレに戻らず物価が緩やかに上昇していけばいい、ということになるのではないか。
リフレ派の主張は実現せず
――結局は政治の要請で決まるということですね。
日銀、FRB(米国連邦準備制度理事会)、ECB(欧州中央銀行)を比べて見たときに、日銀がもっとも政治に従属している、ということになってしまった。FRBはファンダメンタルズと市場とのギャップを修正しようとしているが、日銀はそもそも2年で2%のインフレ目標の実現というファンダメンタルズからまったく乖離した目標を掲げてしまったから、修正どころじゃなくなっている。
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