劇場版「TOKYO MER」36歳監督語る大ヒットの裏側 2023年の上半期実写1位、興行収入44億円突破
興収44億円を突破し、今年上半期の実写興収1位になった劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』。近年、ドラマの映画化作品を含めて、邦画実写のヒット規模は10億〜20億円になっていたところ、本作は2000年前後のテレビ局映画全盛期を思わせる破格のヒットとなった。
そんな本作の監督は、連続ドラマでチーフディレクター(CD)を務めたTBSの松木彩氏(36)。2011年の入社から、『天皇の料理番』(2015年)や『カルテット』(2017年)などのAD、『下町ロケット』(2018年)『半沢直樹』『テセウスの船』(2020年)などのディレクターとしてキャリアを積み、本作で初のCDおよび映画監督を務めている。
テレビ界の未来を担う若き才能にフィーチャーし、本作の大ヒットの裏側と、いまの時代にドラマ映画のヒットをどう生み出すか、話を聞いた。
調味料を入れまくって濃い味付けにした
――連続ドラマ放送時から人気を得ていましたが、劇場版は危機的状況に陥る緊迫シーンの連続で、テレビドラマより熱量の高い作品に仕上がっている印象です。こうした劇的救出劇が、いまの時代的に観客に引っかかる計算があったのでしょうか。
そういう計算みたいなのはまったくないです(笑)。もしかしたらプロデューサーの間ではあったのかもしれませんが、私個人としてはとにかく自分の好きなものを詰め込んだ感じです。黒岩勉さんの脚本が、既にとても魅力的な物語でしたので、そこに調味料を入れまくって私が好きな濃い味付けにしていきました(笑)。
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