"大哲学者"が問い続けてきた「生きることの意味」 「あなたという存在」に意味を与える生き方は?

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ここでもうひとつ紹介しておきたい言葉として、「たとえ明日世界が終わるとしても、私(あなた)は今日りんごの木を植えるだろう」というものがあります。

これは、宗教改革者のマルティン・ルターの言葉だと言われていて、さまざまなところで引用されている有名なものです。

実際には、アメリカの作家チャールズ・フレデリック・オーバートンによる創作のようですが、作家の開高健も、好んでこの言葉を色紙などに書いていました。

あなたの行動が「生きている」ということ

なぜ明日世界が終わるというのに、あなたはりんごの木を植えるのでしょうか。

ここで思い出してもらいたいのは、人生の意味というのは誰かに与えられるものではないということです。

そして、頭だけで観念的に考えるものでもありません。それは、あなた自身が1つひとつの行動を通して、具体的に生み出すものなのです。つまり、今、あなたが生きている証というのは、今日のあなたの行動によってのみ得られるのであり、それこそが「生きている」ということだからなのです。

私は教養についての講演を引き受けると、その最後で聴衆に対して、「あなたにとって、『どんなことが起こっても、これだけは本当だと思うこと』とは何ですか?」と尋ねるようにしています。

実際にこの問いに対して即座には答えられる人はほとんどいません。でも、即座に答えられるかどうかは重要な問題ではありません。大切なのは、私たち1人ひとりがその問いに対して真摯に向き合うことなのです。

あなたの人生を生きるのは、あなた自身しかいないのですから。

堀内 勉 多摩大学社会的投資研究所教授・副所長、HONZ

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ほりうち つとむ / Tsutomu Horiuchi

外資系証券を経て大手不動産会社でCFOも務めた人物。自ら資本主義の教養学公開講座を主催するほど経済・ファイナンス分野に明るい一方で、科学や芸術分野にも精通し、読書のストライクゾーンは幅広い。

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