"大哲学者"が問い続けてきた「生きることの意味」 「あなたという存在」に意味を与える生き方は?

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ここでもうひとつ紹介しておきたい言葉として、「たとえ明日世界が終わるとしても、私(あなた)は今日りんごの木を植えるだろう」というものがあります。

これは、宗教改革者のマルティン・ルターの言葉だと言われていて、さまざまなところで引用されている有名なものです。

実際には、アメリカの作家チャールズ・フレデリック・オーバートンによる創作のようですが、作家の開高健も、好んでこの言葉を色紙などに書いていました。

あなたの行動が「生きている」ということ

なぜ明日世界が終わるというのに、あなたはりんごの木を植えるのでしょうか。

ここで思い出してもらいたいのは、人生の意味というのは誰かに与えられるものではないということです。

そして、頭だけで観念的に考えるものでもありません。それは、あなた自身が1つひとつの行動を通して、具体的に生み出すものなのです。つまり、今、あなたが生きている証というのは、今日のあなたの行動によってのみ得られるのであり、それこそが「生きている」ということだからなのです。

私は教養についての講演を引き受けると、その最後で聴衆に対して、「あなたにとって、『どんなことが起こっても、これだけは本当だと思うこと』とは何ですか?」と尋ねるようにしています。

実際にこの問いに対して即座には答えられる人はほとんどいません。でも、即座に答えられるかどうかは重要な問題ではありません。大切なのは、私たち1人ひとりがその問いに対して真摯に向き合うことなのです。

あなたの人生を生きるのは、あなた自身しかいないのですから。

堀内 勉 多摩大学大学院教授 多摩大学サステナビリティ経営研究所所長 

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ほりうち・ つとむ / Tsutomu Horiuchi
 

東京大学法学部卒、ハーバード大学法律大学院修士課程修了、東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム(EMP)修了。日本興業銀行(現みずほ FG)、ゴールドマンサックス証券、森ビル・インベストメントマネジメント代表取締役社長、森ビル取締役専務執行役員CFO、アクアイグニス取締役会長等を歴任。現在、多摩大学サステナビリティ経営研究所所長、上智大学知のエグゼクティブサロン・プログラムコーディネーター、一般社団法人100年企業戦略研究所所長、一般財団法人社会変革推進財団評議員、一般社団法人アジアソサエティ・ジャパンセンター理事、ボルテックス取締役会長等。著書に『読書大全』『人生を変える読書』がある。

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