ラーメン店主に転身した元Jリーガーの快活人生 盛田剛平が歩む異例のセカンドキャリア

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盛田軒のもう一つの名前は「盛田ラーメン研究所」。そう謳(うた)うだけに店内で小麦から麺を自作している。ウクライナ紛争による小麦の出荷減少による価格高騰で、今や1杯1000円以上が普通になっている中、ここの定価は800円ほどと安い。

事業を立ち上げたばかりとあって「これが採算に見合う額なのか、相場も含め分からないことだらけ。色々とやりながらさまざまな問題も打開していくしかない」と試行錯誤の日々だ。

サポーター、仲間ら多くの支援

現役時代は浦和を皮切りにJリーグ7クラブを19年かけて渡り歩いた。その長いプロ人生が幸いし、今にも生きている。開業にあたりクラウドファンディングを実施したところ、多くのサポーターたちから支援があった。

「サポーターの方たちがここに寄ってくれますね。遠く広島だったり、甲府からもそうだし、今日も群馬から来ましたという方もいらっしゃった。こうやって来てくれるのは本当にうれしいことです」

神奈川・桐蔭学園高時代の1年先輩で、元日本代表の森岡隆三さんも突然やってきたという。「びっくりしたし、本当にうれしかった。励みになります」。

取材した当日には、高校の同級生だった女性3人が来店していた。その中の1人が、盛田さんからの依頼を受けて店の看板文字を書いたという。「高校時代はスポーツ一直線って感じで。熱くて、明るくて、おおらかでしたね」。サッカーで有名になっても偉ぶることなく、誰とでも仲良く接した。そんな人柄ゆえに、今も多くの人から応援されるのだろう。

さらに質問をぶつけていく。

-ラーメンの魅力とは?

「だいたいみんな好きなものなので、コミュニケーションツールとしてはすごくいい。そこから会話がうまれたり、横の広がり、広島でも甲府でも異業種のつながり、交流ができたりした。ラーメン同好会もありました」

-将来の夢は?

「(ラーメンで)海外に行けるようになればおもしろい。まずはいろんなところでイベントに出てみたいですね、広島もそうですし、山梨でも。また、ここでうまく経営が回せるようになったら2店舗目、というように考えるようになるだろうし、通販やったり、ゆくゆくはカップラーメンになったらいいなという淡い希望も持ちながら頑張っていきたい」

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