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「奨学金216万」父が余命宣告された高3女子の決断 「父は働けないどころか、もう長くはない」

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「まだ、あまり日本では浸透していないのですが、『組織のプロセス改善モデル』のインストラクター資格を取りたいんです。資格取得のためにはそれなりにお金もかかるので、退職金を使って勉強を続けています」

堅実に前を見据えて努力する人へ

大学合格が決まった直後に、病気が発覚した父。生活も経済状況も急変してしまい、一時は大学進学も危ぶまれたが、それでも家族の助けと奨学金のおかげで、無事に大学に入学し、卒業することができた。

そんな彼女が今、口にするのは母と父への感謝の言葉だ。

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「『奨学金を借りたほうがいい』と、助言してくれた母には感謝しかありません。わたしが大学生だった頃の母の年代は、ちょうど今のわたしと同じぐらいなのですが、夫に先立たれ、遠くで暮らす娘と、新聞奨学生をしている息子を心配しながら、子どもたちをパートで支えるのは本当に大変だったでしょう。

今思うと、未成年の娘に216万円という、奨学金の返済を背負わさざるを得なかったことを申し訳なく思っていたかもしれません。それでも、奨学金のおかげで、4年間の学生生活を経済的に無事過ごすことができました。

それに、父への感謝も忘れません。決して、論理的に話すタイプではなく、態度で示すような人でしたが、最終学歴が高卒だったこともあり、わたしが大学に進んだことを喜んでいたと思います。なにより、生命保険に入ってくれていたおかげで、残された家族も生きていくことができました。だから、わたしも若い頃から生命保険には入っていて、最後までかけ続けようと思っています」

これからという時期に父が亡くなったのは、唐澤家にとっては大きな悲劇だっただろう。しかし、生命保険や、奨学金制度の力を借りたことで、唐澤さんは人生を好転させることができた。

この世界は過酷だが、堅実に前を見据えて努力する人には、報いてくれることも多い。下を向いたり後ろを向くのは簡単だが、そこでどう上や前を見るのかが大事なのだろう……唐澤さんのライフストーリーを聞いて、そんなことを思った筆者だった。

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