ソニーCEO ハワード・ストリンガー --再建へ邁進する日本は必ず逆境を乗り切れる

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──具体的には、どの製品の生産に影響が出てきそうですか。

むしろ、どの製品が影響を受けませんか、という質問のほうが的確かもしれない。さまざまな製品の生産が少し遅れるかもしれず、製品によってレベルは変わってくる。問題なく出荷できるものもあれば、電力不足や部品調達で遅れるものもある。

当然、新製品の発売スケジュールにも影響は出てくるだろう。ライバルが今の状況に対して有利に働きかけるかもしれず、できるだけ早く動かなければならないことは熟知している。社員全員が昼夜関係なく、長時間の作業に当たっている。

--震災前日の3月10日に、新たな役員人事を発表しました。平井一夫執行役EVPを代表執行役副社長に昇格させ、次期社長の最有力候補としています。この人事の狙いと、求められるリーダー像とは。

平井副社長を次のリーダーに決定したわけでなく、候補者の一人にすぎない。経営機構改革では、彼が社長を務めるソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)と、テレビなどのコンシューマー製品を一つの組織下に置くことにした。

ソニーは数百もの優れた製品を展開するハードウエアの会社であり、世界にエンターテインメントのソフトウエアを提供する会社でもある。

双方を組み合わせたモデルの一つが「プレイステーションネットワーク」で、アカウント数は7500万以上となっている。携帯電話やカメラ、テレビといった製品もソフトウエアでつなぎ、そこにコンテンツを配信していく。次のリーダーには、これらの融合を進めることが求められる。

一つのヒットにはとらわれない

ハードウエアを造るビジネスに立ち返るべきと言う人もいないわけではないが、今や箱のようなモノが単独で存在することはないといっても過言ではない。世界中の製品がインターネットを使って何らかの形でつながっている。将来的にはクラウドを通すことになるかもしれないが、すでに適応できる製品を開発・製造できる体制にある。

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