50種類以上!「全国ご当地グミ」じわり人気のナゼ JA全農「ニッポンエール」の知られざる狙い

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「ニッポンエール」商品群の中で、グミの商品数は53と群を抜く。それぞれが全国各地の特産品を用いているのが特徴だ。また、中心部の軟らかいジュレが果汁感を引き立てる2層構造タイプである。

背景には、グミ人気もあるだろう。グミの市場規模は2021年にガムを上回った後も急拡大を続け、2022年には対前年比22%増の781億円にまで到達。将来的には1000億円市場になると予測されている。

なぜグミに力を入れることにしたのか

新ブランド立ち上げの企画段階から関わり商品開発も担当する、営業開発部MD企画課調査役の山田晋也さんはこう語る。

「ご当地グミの全国発売は2021年9月。21都道県、28商品でスタートしました。一般流通には向かない規格外品の果汁を使用しているのが特徴です。これにより生産者の所得を増やすことを狙っています。また、名前を聞く機会や食べる機会がない珍しい果物や品種の名前を消費者に知っていただき、各産地や特産品への関心も高めたいのです。これは海外に対しても同じで、国産農作物の輸出拡大にもつなげる計画を立てています」

そもそも、JA全農はなぜグミに力を入れることにしたのだろうか。

営業開発部MD企画課調査役の山田晋也さん(撮影:今井康一)

「グミと並行してキャンディや焼き菓子も検討しました。果汁の使用量で考えれば、以前から積極的に取り組んできた清涼飲料の方がずっと大きいですし、こちらはこちらで成長させていきます。けれども単純に果汁の使用量だけを増やそうとしているわけではありません。各地の農協が取り扱っている青果の購買にもつなげたいのです。こう考えた場合に、グミという商品形態が適していると考えました」(山田晋也さん)

たしかにグミは果実感を訴求しやすい。ただいくらグミが成長市場だといっても、後発メーカーが簡単にシェアを奪えるほど甘くはないだろう。「果汁グミ」の明治、「ピュレグミ」のカンロ、「ピュアラルグミ」のカバヤ食品、「コロロ」のUHA味覚糖など、味や食感などあの手この手で果実感を売りにした大手のシリーズに対して、JA全農はどういった違いを打ち出すつもりなのだろうか。

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