池上彰氏「私は新聞をこうやって読み比べている」 新聞はどこも同じではなく、論調の違いがある
自分が読みたい記事とは関係ない記事
新聞の魅力は何でしょう?
私は「ノイズ」だと思います。
新聞を広げて読んでいると、自分が読みたい記事とは関係なく、勝手に目に飛び込んでくる記事があります。
「これ何だろう? 初めて見た」
「世の中こんなことになっていたのか!」
などと興味を持ち、ちょっとネットで調べてみようということもあります。
ネットでは、多くの人は基本的には自分の興味のあることを検索し、読みたいと思っている人のツイッターをフォローします。SNSでつながっている人は、感性も趣味も似ているのではないでしょうか。
すると、目に入ってくるのは、特定の分野の似たような情報ばかり。タコツボ化していくばかりで、世界が広がっていきません。
一方、新聞では、いやおうなしに、興味のない記事も目に入ります。そこから興味関心が広がっていきます。思いがけない出合いを楽しみにして、私は毎日、新聞を読んでいるのです。
新聞を読んで興味や関心の幅が広がれば、専門分野以外のことでも、人と話せるようになります。たとえば営業担当にとっては、欠かせないスキルでしょう。
新聞で仕入れた知識で「いい質問」をし、「この人はちょっと違うな」と信頼を勝ち取れるかもしれません。
時間が許せば、紙面の下のほうに控えめに載っている「ベタ記事」にも目を通したいですね。
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