子連れ記者、「子連れ出勤」を実体験してみた

抱っこで接客、授乳しながらデスクワークも

授乳服のサンプルを試着させてもらい、そのまま光畑由佳社長への取材を開始した。途中で子どもがぐずり始めてひそかに焦る私に、光畑社長はすかさず「あなたは右利きですか?左側で授乳すれば右手でノートを書けるわよ」とアドバイスしてくれる。インタビュー相手の目の前で授乳しながら、何ごともなかったように取材は続行されたのだった。

職場内に子どもがいる風景

本社のオフィスには普通に子どもがいる。打ち合わせ中の母親の傍らで遊んでいた

「子連れ出勤」と聞くと、託児所の併設などをイメージするが、モーハウスは違う。働く母親と一緒に子どもがいるのだ。仕事に集中できるのか。泣き声が響き渡っているのではないか。パソコンや書類にいたずらされないのか。赤ちゃんを抱きながらきちんとした接客ができるのか。そもそも、生まれて間もない赤ちゃんを職場に連れて行くなんて――。子連れ出勤に対する疑問や意見はいろいろあるだろう。

ところが実際に店を訪れると、こうした懸念はすべて払拭された。赤ちゃんなので当然泣いたりぐずったりするが、接客中でもスリングの中ですぐに授乳できるので間もなく落ち着いてくれる。子どもに話しかける初老の女性客もいれば、育児の相談をする妊娠中の女性客もいて、店内にはのんびりした空気が流れている。つくば市にある本社も落ち着いた空気は同様だ。働いているスタッフの傍らに普通に子どもがいる。邪魔をされることもなく騒がれることもない。

オフィスの片隅にお昼寝スペースがある。昼前のこの時間、2人の子どもがぐっすり寝ていた

1歳2カ月の長女と子連れ出勤している青山店のスタッフ、海老澤青海さんは子どもが2カ月の頃に入社した。片道約1時間の通勤電車でもし娘がぐずっても、授乳服ならば周りに気付かれずに授乳できるので気持ちに余裕が持てる。店では、接客する海老澤さんをまねて商品の洋服をたたもうとしてみたり、買い物を終えた来店客に手を振ったり、一人前のスタッフのようだ。

本社で商品開発を担当する小林幸子さんは、1歳8カ月の子どもと出勤している。朝9時ごろ車でオフィスに到着すると、まず授乳しながらのメールチェックで1日が始まる。子どもが眠くなったら、オフィスの一画に設けられたお昼寝スペースに寝かせて、書類仕事に集中。ランチタイムには一緒にお弁当を食べている。

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。