政府のかけ声あっても実際の歩みは遅い
「女性の活躍を推進する」
安倍政権が全面的に打ち出しているように、大手企業を中心に女性の役職登用を進めようという動きが活発になっている。一方で、実際の女性の上級管理職はまだ非常に少なく、その歩みも遅いのが現状だ。
東洋経済オンラインは『CSR企業総覧』(小社刊)の掲載データを使い、女性部長が多い、女性部長比率が高いといった会社をランキングした。主に最新の『CSR企業総覧』2015年版(2014年時点、前年度末または直近)からデータを抜粋。5年前との比較は2010年版(2009年、同上)から引用した。
まずは女性部長の多い会社だ。
ランキング1位は2014年版に引き続き富士通。116人(比率3.6%)と、前年の99人から17人増やし3ケタとなった。富士通は女性社員のさらなる活躍に向けた目標値の設定と推進強化を進めている。目標値の一つが、「2020年度末に新任幹部社員に占める女性比率20%」である。
ただ、年代別の女性比率が40歳未満19.4%、40代14.7%、50代10.3%という同社にとってかなり高い目標であることは間違いない。今後、どのように進めていくのか注目していきたい。
2 位はこちらも2014年版と同じくNECの104人(同3.7%)。中期ビジョンで「女性の上級管理職の計画的登用と育成を通し女性役員を輩出」を掲げ、 登用推進を着実に進めている。新任管理職に両立支援マネジメント研修を行うなど働き方の意識改革にも力を入れる。女性管理職比率の目標は「5%程度」。現在の比率は4.9%で既にほぼ達成している。そろそろ、さらに高い目標を掲げる時期かもしれない。
上位10社の合計人数は757人。集計対象1000社の女性部長合計人数2627人の28.8%を占める。全体の1%の会社で3割近い女性部長数となっている。この10社はいずれも比率は高くないが、日本の社会全体を考えると女性活躍への貢献度は高いといえる。
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