最後に全体像を見ていこう。業種ごとの対象社数、男女別の合計部長数も集計した。
全社の合計人数は男性部長数12万4178人に対して女性部長数はわずか2627人。集計対象はCSRやダイバーシティなどに積極的な企業ばかりだが、それでもマネジメント層の女性活用はほとんど進んでいないことがわかる。
部長職での男女格差はまだ大きい
女性部長比率の全体平均は2.10%と昨年1.99%からわずかに上昇。ただし、依然、「女性部長ゼロ」という会社も多く、今回の集計では、対象1000社のうち611社が「ゼロ」だった。このようにマネジメントの要である部長職では、男女格差はまだ大きいのが現状だ。
対象社数が10社未満の業種を除いて、最も女性部長比率が高いのはサービス業の5.87%(対象67社)。小売業3.97%(同76社)、その他金融業3.96%(同13社)、医薬品3.54%(同27社)、情報・通信業3.48%(同70社)などが続く。
一方で低い業種は金属製品0.11%(同17社)、鉄鋼0.12%(同13社)、建設業0.2%(同54社)、非鉄金属0.26%(同14社)、電気・ガス業0.46%(同10社)などだ。
昨年比では女性比率を上げている業種も多いものの、最も高いサービス業でも部長100人に女性は6人程度。下位の業種では1000人の部長のなかで女性は1人といったお寒い状態だ。
政府は「2020年までに、指導的地位に占める女性の割合を30%程度にすること」を目標にしている。大手企業もこれに従い、具体的な女性登用の目標を掲げ始めた。
もちろんこれは長い目で見れば望ましいことだが、そもそも女性従業員数が少ないのに「将来の女性比率」だけ高く設定するなど実現性に乏しい目標を掲げる企業も目立つ。この遅れた状態を一気に変えるためには、会社や男性、そして社会にも相当の覚悟が必要となるが、これもまだ本気とはいえない。
着実に歩を進めていくしか、この状況を変えていくための方法はなさそうだ。今回紹介してきた各ランキングの上位企業には、それぞれの活用ノウハウがある。こうしたノウハウを社会全体で共有しながら日本全体で少しずつ進めていくことが本当の女性活躍推進につながるだろう。
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